全国設備投資計画調査(大企業) (2013年6月)

DBJが毎年1回実施している、民間法人企業を対象とした設備投資計画調査です。1956年以来50年以上にわたり毎年継続している大企業(資本金10億円以上)の設備投資動向調査となります。

概要

非製造業が牽引し、2年連続の増加
- 非製造業は22年ぶりに二桁の伸び -
- 製造業は維持・補修や合理化・省力化のウエイト上昇、海外強化の流れ続く -

  1. 1.
    大企業(資本金10億円以上)の2013年度国内設備投資額は、製造業(10.6%増)、非製造業(10.1%増)とも増加し、全産業で10.3%増と2年連続の増加となる。
  2. 2.
    今回調査に基づく2013年度の国内設備投資の特徴として、以下の点が挙げられる。
    1. 非製造業では22年ぶりに二桁増
      コンビニなどの新規出店、再開発などの不動産開発や物流施設整備などの設備投資が大幅増。非製造業が計画段階で二桁増となるのは1991年度以来22年ぶり。消費マインドの改善や消費形態の変化に伴い、商業施設だけでなく物流施設など関連分野への広がりがみられる。
    2. 製造業では維持・補修が最大の投資動機に
      製造業の投資動機としては、「維持・補修」のウエイトが過去最高。今回初めて「維持・補修」が「能力増強」を逆転し、最大の投資動機となっている。「合理化・省力化」も上昇。「能力増強」の投資金額自体は増えているものの、相対的にそのウエイトは低下。
    3. 設備投資マインドに前向きな兆し
      2013年度に設備投資を増加させる理由として、3割程度の企業が中長期的な期待収益率の改善を挙げている。設備投資は引き続きキャッシュフローの範囲内にとどまる見通しだが、企業の投資環境に係る認識に変化がみられつつある。
  3. 3.
    製造業(10.6%増、寄与度3.9%)は、鉄鋼を除き石油や自動車をはじめすべての業種で前年を上回る。石油は、製油所・サービスステーションの再編・合理化などにより増加し、加えてエコカー関連の投資連鎖などもあり自動車、化学も増加する。
    非製造業(10.1%増、寄与度6.5%)は、鉄道の安全対策や不動産開発、空港施設、道路貨物・倉庫の物流施設整備がある運輸が増加するほか、首都圏で再開発プロジェクトが継続する不動産、コンビニなどの新規出店が増加する卸売・小売も増加。
  4. 4.
    海外設備投資は、自動車の能力増強、鉱業の資源関連を中心に4年連続の二桁増(25.9%増)。
    海外/国内投資比率(連結)は、引き続き上昇(全産業2012年度38.6%→2013年度44.5%、製造業2012年度68.8%→2013年度70.3%)。
    製造業の中期的な生産能力見通しは、海外強化(サプライチェーンの海外シフトを含む)の姿勢は継続しているが、国内減少を伴う海外強化の比率は若干低下。2008年以降の円高は海外シフトを加速させたが、昨年末からのマクロ環境の好転などにより、国内の供給能力についての企業の姿勢にわずかだが変化が生じている可能性がある。なお、国内生産を維持する理由として、引き続き国内需要の存在に加え、技術・商品開発基盤、高い生産性、人材、サプライチェーンが挙げられている。
  5. 5.
    研究開発は、全産業で6.0%の増加。中期的な国内における研究開発活動については、引き続き強化・維持しつつ、海外も強化・維持の方向。

報告書

上記報告書は、調査レポ―ト第106号として発表

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日本政策投資銀行 設備投資計画調査担当
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