大成建設(株)に対し、「DBJ環境格付」・新「DBJ防災格付」に基づく融資を実施~格付融資設立来初、環境格付及び防災格付の特別表彰をダブル受彰~

 株式会社日本政策投資銀行(社長:橋本徹、以下「DBJ」という。)は、大成建設株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:山内隆司、以下「当社」という。)に対し、「DBJ環境格付」と新「DBJ防災格付」の両方に基づく融資を実施します。

 「DBJ環境格付」、新「DBJ防災格付」は、DBJが開発したスクリーニングシステム(格付システム)により企業の環境経営度や防災及び事業継続への取り組みを評点化、優れた企業を選定し、その評価に応じて融資条件を設定するという、「環境格付」、「防災格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資メニューです。
 なお、従来の「DBJ防災格付」は、主に発災前段階における予防策に重きを置いていましたが、新「DBJ防災格付」は、発災後の企業の迅速な復旧活動を含む事業継続の取り組みに重きを置いた設問体系へと大幅にリニューアルしており、予防だけに留まらず、危機事案発生後の戦略・体制等を含めた企業の事業継続活動を総合的に評価する内容となっています。

 当社は、国内外で建設・土木工事を広く展開している建設会社です。とりわけ近年は、高い技術力を生かしながら、環境負担を減らす取り組みを多面的に進めているほか、防災・BCPについても国内を代表するパイオニアとして、自社のBCPだけに留まらず、顧客の防災力強化に向けて、様々なソリューションを提供しているリーディングカンパニーです。

 今回の格付では、以下の点を評価しました。

【DBJ環境格付】
 (1)産業廃棄物として処分されていた汚泥を緑化工事へ有効活用するリサイクル技術「キトリート」(濁水処理技術)を開発し、産業廃棄物の発生量を大幅に軽減している点。

 (2)超高層ビルの解体・建替え需要の本格的到来に先んじて、これに対応する環境配慮型の超高層ビル解体新技術として「テコレップシステム」を開発・提案している点。

 (3)組織の社会的責任に関する国際ガイダンス規格「ISO26000」に示された「7つの中核課題」に対し、当社グループのCSR活動を整理・課題の明確化に努めるとともに、「The GHG Protocol Corporate Standard (Revised Edition)」(WRI/WBCSD)に準拠したScope1~3(注1)の排出量の算出・報告を行うなど、CSR経営時代における情報発信形態を先取りした数々の取り組みを行っている点。

【DBJ防災格付】
 (1)自社が開発した先進的な建設・管理技術を活用し、本社や施工中の現場をはじめとしたハード面での抗堪性を確保している点。

 (2)有事体制への切り替えの迅速性・円滑性を確保するとともに、有事におけるプロアクティブな意思決定と指揮命令を実現すべく、経営資源に関する一元的な情報管理環境を整備し、平時より運用している点。

 (3)大規模災害対応訓練により実務に即したシミュレーション訓練と評価がなされ、訓練内容の高度化と本業へのフィードバックを継続的に実施している点。

 以上、環境・防災の両面における当社の先進的かつ高度な取り組みは、建設業界はもちろんのこと、日本社会をリードするモデルケースになりうるものとして高く評価した結果、当社は、「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」であることに加え、「防災への取り組みが特に優れている」という格付も取得し、環境と防災の両分野において特別表彰(注2)を受彰することになりました。
 環境格付融資(2004年4月開始)及び防災格付融資(2006年4月開始)の設立以来、全国で初の事例となります。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~私たちは創造的金融活動による課題解決で、お客さまの信頼を築き、豊かな未来を、ともに実現していきます~」に基づき、環境配慮型経営や有事における事業継続の推進に向けたお客さまの取り組みを積極的に支援してまいります。

(注1)企業自身が直接排出した温室効果ガス(GHG)排出量を「Scope1」、電力使用など間接的に排出したGHG排出量を「Scope2」、Scope2に含まれない間接排出量のうち、企業のサプライチェーン上(製造、輸送、出張、通勤等)でのGHG排出量を「Scope3」といい、対外的に開示する動きが強まっています。

(注2)特別表彰とは、環境格付においては最高ランク評価の中でも評価点200点(最高点250点)を超える企業に対して、防災格付においては最高ランクの中でも評価点90点(最高点100点)を超えるモデル企業に対して、特別に与えられるものです。

 【お問い合わせ先】
 都市開発部  電話番号03-3244-1710
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