静岡済生会総合病院に対し、「DBJ ビジョナリーホスピタル」に基づく融資を実施-高度な医療機能の提供と環境配慮、防災および事業継続への取り組みを評価-

 株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:柳正憲、以下「DBJ」という。)は、社会福祉法人恩賜財団済生会(本部:東京都港区、理事長:炭谷茂)の運営する静岡済生会総合病院(所在地:静岡県静岡市駿河区、院長:石山純三、以下「当病院」という。)に対し、「DBJ ビジョナリーホスピタル」に基づく融資を実施しました。

 「DBJ ビジョナリーホスピタル」は、公益財団法人日本医療機能評価機構(所在地:東京都千代田区、理事長:井原哲夫、以下「JQ」という。)による「病院機能評価」の認定(注1)を受けた病院を対象に、DBJ が開発した独自の環境評価・BCM評価システムにより、環境配慮、または防災および事業継続対策に優れた病院を「DBJ ビジョナリーホスピタル」として評価・認定し、その評価に応じて融資条件を設定する融資メニューです。

 当病院は、「済生の精神」(分け隔てなく、あらゆる人々に医療・福祉の手をさしのべること)を使命として、三菱重工静岡三菱病院を前身とし、昭和23年に開設された病院です。3次救急病院として地域の急性期医療を担い、平時より高度な医療サービスを提供するとともに、静岡県の災害拠点病院として、防災および事業継続の取り組みを進めています。

 当病院は、平成28年5月に新救命救急センター(東館)を開設し、総合検査センター・手術室・ICU(集中治療室)等の診療機能が集約され、機能的な医療体制を整備しています。本件は、一連の新棟建築に伴い、既存館にてリニューアルオープンした健康管理センターの改修資金に対し、融資を実施したものです。

 今回は、環境配慮、防災および事業継続対策について、主に以下の点を評価しました。
(1)エコアクション21(注2)審査人との対話を効果的に活用しながら、医療サービスの質向上と効率化・標準化を同時に図るKPIを環境マネジメントシステムの中に組み込み、本業と一体的に環境負荷低減を促進している点
(2)高度医療病棟での免震・液状化対策に加え、平成28年5月に完成した新棟建設により最新鋭の救命医療体制の整備を図る等、災害拠点病院としてのハード対策を推進している点
(3)災害時に業務量が増大する病院の事業特性を踏まえ、限られた経営資源での優先業務継続に対する現場判断力を向上させるべく、CSCATTT(注3)手順を習熟させるための災害対応訓練を継続的に実施している点
(4)EMIS(注4)への登録に加え、周辺の災害拠点病院と静岡県のDMAT(注5)搬送訓練に参加することで、静岡市内の病院との緊急患者の受入・搬送に係る協力関係を一層強化する等、有事における地域医療全体の実効性向上に取り組んでいる点


 その結果、当病院は「環境への配慮に対する取り組みが十分」であり、「防災および事業継続への取り組みが十分」との認定を取得しました。

 DBJ は、企業理念「金融力で未来をデザインします~私たちは創造的金融活動による課題解決でお客様の信頼を築き、豊かな未来を、ともに実現していきます~」に基づき、地域社会に良質な医療の持続的な提供を行うお客様の取り組みを積極的に支援してまいります。


(注1)JQ は、病院が組織的に医療を提供するための基本的な活動(機能)が、適切に実施されているかどうかを中立、公平な立場で第三者的に評価する「病院機能評価事業」を行い、評価の結果、一定の水準に達したと認められた病院に対して認定証を発行しています。平成28年5月現在、全国の病院の約3 割にあたる2,223病院が認定を受けています。
(注2)エコアクション21は、全ての事業者が環境への取り組みを効果的・効率的に行うことを目的に、環境省が策定し、普及を進めているガイドラインです。
(注3)CSCATTTとは、災害発生時における体系的な対応の頭文字をとった言葉であり、具体的には、指揮・命令(Command/control)、安全(Safety)、情報伝達(Communication)、評価(Assessment)、トリアージ(Triage)、治療(Treatment)、搬送(Transport)の7つを指します。
(注4)EMISは、「広域災害・救急医療情報システム」の略語です。本システムを通じ、救護班
派遣の可否等、災害時の医療救護活動に必要な情報を、医療機関や行政機関等の間で簡単に提供・共有することができます。
(注5)DMATとは、災害急性期に活動できる機動性を持つ、トレーニングを受けた医療チームを指します。


【お問い合わせ先】
 企業金融第6部 ヘルスケア室 電話番号 03-3244-1730

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