- News Release
- 平成12年8月31日
平成13年度概算要求について
日本政策投資銀行(総裁:小粥正巳)は、平成13年度概算要求をとりまとめ、本日、大蔵省に提出いたしました。
1. 平成13年度概算要求の特徴
投融資規模については、真に政策的に必要な分野に対し、長期・低利の資金供給を図るため、17,000億円を要求します。
また、「市場の評価に晒されることを通じて財投機関の運営効率化へのインセンティブが高まる」という財政投融資改革の趣旨に沿った積極的な対応を図るため、資金調達の一環として財投機関債1,000億円の発行を予定することといたしました。
2. 重点要求項目
日本政策投資銀行中期政策方針において主眼とされている三大分野(自立型地域創造、豊かな生活創造、経済活力創造)の中で、日本新生プランの重点政策事項(IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備)を踏まえつつ、投融資制度の質的重点化を図るため、以下の項目を中心に要求を行います。
(1) IT革命の推進
- ◆ 情報通信インフラ整備等の推進
加入者系光ファイバ網整備の推進、CATVデジタル化対応等のためのIT関連融資制度の拡充を図るとともに「情報通信ネットワーク」枠について十分な資金量を確保し、情報通信インフラ整備等を通じてIT革命の推進へ積極的に対応 - ◆ 高度道路交通システム(ITS)の実用化・普及促進
ITSの実用化に対し、インフラ整備、関連機器の製造及び研究開発、関連機器搭載車の購入等、多面的な切り口から支援するための融資制度を創設し、その普及・促進を支援
(2) 環境問題・高齢化への対応、都市基盤整備
- ◆ 環境修復・創造支援事業の推進
公害防止、地球温暖化対策、循環型社会形成推進等に資する現行の環境対策融資制度の活用に加え、土壌や地下水等に蓄積された汚染を浄化・修復する事業を対象とする融資制度を創設し、環境問題への対応を強化 - ◆ 安心して暮らせる社会づくり
交通関連融資制度のうちバリアフリー施設の整備に係る融資条件を拡充するとともに、高齢者が働きやすい職場環境や育児との両立に配慮した施設整備を伴う事業所、工場等を対象とする安全・安心確保推進融資制度を創設し、安心して暮らせる社会づくりに貢献 - ◆ 優良な都市開発プロジェクトの推進
投資回収に長期を要する法定再開発事業に係る金利引き下げ措置の延長を通じて都市基盤整備の推進を支援
(3) 経済構造改革の推
- ◆ 技術開発、ベンチャー企業に対する支援
新技術開発等に係る超低利融資制度を継続し、技術開発プロジェクトやベンチャー企業に対する良質な資金を供給 - ◆ 地域における新事業の創出支援
ビジネスインキュベータ整備促進融資制度を創設し、起業化への総合的な取組を行う事業者への支援を通じて地域における新事業の創出を支援 - ◆ 経営資源の有効活用による企業経営の再構築支援
事業再構築支援融資制度を拡充し、資産流動化等、企業による経営資源の最適配置による有効活用(選択と集中)に対する実態に則した支援を通じて企業経営の再構築を推進 - ◆ 財政・環境制約下における新たな社会資本整備(既存資源の転活用)の推進
公共施設を民間に譲渡したり、民間の遊休施設を公共施設として有効活用する等、既存社会資本の転活用及び高度化を図る事業や、超長寿型社会資本の新設を支援する社会資本ライフサイクルマネジメント融資制度を創設し、財政負担、環境負荷を最小化しつつ、社会資本の整備を推進 - ◆ 民間資金を活用した社会資本整備(PFI)の推進
PFI事業に対する社会資本整備促進融資制度(NTT-C、C')の対象を拡充し、民間事業者の能力を活用した効率的な社会資本整備の推進を支援
(4) 自立型地域創造の推進
- ◆ 地域のニーズに基づいたプロジェクト支援
現行の地域活性化低利融資制度を拡充し、地域関係者の合意(パブリック・インボルブメント)に基づいたプロジェクトの推進を支援する地域主導事業推進低利融資制度を創設 - ◆ 地域における新事業の創出支援[再掲]
ビジネスインキュベータ整備促進融資制度を創設し、起業化への総合的な取組を行う事業者への支援を通じて地域における新事業の創出を支援 - ◆ 民間資金を活用した社会資本整備(PFI)の推進[再掲]
PFI事業に対する社会資本整備促進融資制度(NTT-C、C')の対象を拡充し、民間事業者の能力を活用した効率的な社会資本整備の推進を支援 - ◆ 寒冷地における冬期交流活動活性化事業の推進
寒冷地産業活動活性化融資制度を拡充し、北海道等の寒冷地の気候特性を活かした観光事業等を支援
3. 平成13年度投融資計画総括表
12年度 | 13年度 | ||||
---|---|---|---|---|---|
当初計画額 | 概算要求額 | (伸率) | |||
a | 構成比 | b | 構成比 | b/a | |
地域社会基盤整備 | 2,595 | 12.3 | 2,750 | 14.8 | 6.0 |
13年度投融資対象事業〔例〕 民間資金活用型社会資本整備(PFI)、市街地再開発、中心市街地活性化、駐車場整備、等 |
|||||
地域活力創造 | 990 | 4.7 | 1,000 | 5.4 | 1.0 |
13年度投融資対象事業〔例〕 地域産業立地促進、地域産業集積活性化、ビジネスインキュベータ整備促進、等 |
|||||
地域連携・地域自立支援 | 1,695 | 8.0 | 1,450 | 7.8 | △14.5 |
13年度投融資対象事業〔例〕 地域産業振興・雇用開発、中堅企業等経営基盤強化、等 |
|||||
自立型地域創造(小計) | 5,280 | 25.1 | 5,200 | 28.0 | △1.5 |
環境・エネルギー・防災・福祉対策 | 4,920 | 23.3 | 4,600 | 24.7 | △6.5 |
13年度投融資対象事業〔例〕 廃棄物・リサイクル対策、省エネルギー対策、原子力開発、都市防災対策、福祉・高齢化対策、等 |
|||||
交通・物流ネットワーク | 3,840 | 18.2 | 4,250 | 22.8 | 10.7 |
13年度投融資対象事業〔例〕 鉄道新線建設・通勤混雑緩和、高度道路交通システム(ITS)普及促進、物流近代化ターミナル、等 |
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情報通信ネットワーク | 1,930 | 9.2 | 2,450 | 13.2 | 26.9 |
13年度投融資対象事業〔例〕 光ファイバ網整備、電子商取引、放送デジタル化推進、等 |
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豊かな生活創造(小計) | 10,690 | 50.7 | 11,300 | 60.8 | 5.7 |
経済構造改革 | 4,047 | 19.2 | 1,050 | 5.6 | △74.1 |
13年度投融資対象事業〔例〕 規制緩和分野投資促進、事業再構築支援、社会資本ライフサイクルマネジメント、対内直接投資事業、等 |
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知的基盤整備 | 1,060 | 5.0 | 1,050 | 5.6 | △0.9 |
13年度投融資対象事業〔例〕 新技術開発、ベンチャー企業支援、等 |
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経済活力創造(小計) | 5,107 | 24.2 | 2,100 | 11.3 | △58.9 |
計 | 21,077 | 100.0 | 18,600 | 100.0 | △11.8 |
重複等 | - | - | △1,600 | - | - |
合計 | 21,077 | - | 17,000 | - | △19.3 |
(注1) 13年度概算要求額には、旧北東公庫の業務相当分1,700億円を含む。
(注2) 社会資本整備融資(NTT-C、C')は含まない。
〔参考〕概算要求額の推移
(単位:億円、%)
年度 | 概算要求額 | 対前年度伸び率 | 当初計画額 | |
---|---|---|---|---|
概算要求額比 | 当初計画比 | |||
平成4 | 27,615 | 28.9 | 60.8 | 19,990 |
5 | 33,400 | 20.9 | 67.1 | 26,400 |
6 | 36,600 | 9.6 | 38.6 | 27,600 |
7 | 33,000 | △ 9.8 | 19.6 | 24,300 |
8 | 24,150 | △26.8 | △ 0.6 | 19,690 |
9 | 21,660 | △10.3 | 10.0 | 18,740 |
10 | 18,180 | △16.1 | △ 3.0 | 18,582 |
11 | 18,804 | 3.4 | 1.2 | 28,154 |
12 | 23,272 | 23.8 | △17.3 | 21,077 |
13 | 17,000 | △27.0 | △19.3 |
(注1) 平成4~11年度は旧開銀・旧北東公庫の合算ベース。
(注2) 社会資本整備融資(NTT-C、C')は含まない。