- News Release
- 平成12年10月16日
日本政策投資銀行、ゼロエミッション事業(エコセメント)に初の融資
~大平洋セメントと三井物産の合弁プロジェクト
「市原エコセメント」、世界で初の商業化へ~
日本政策投資銀行は、千葉県市原市においてエコセメントを製造する市原エコセメント(株)(安齋達男社長、本社:市原市)に対し、今般融資を決めた。
1. 会社の概要
- ◆ 原エコセメント(株)は、エコセメント製造技術を開発した太平洋セメント(株)と環境ビジネスに注力している三井物産(株)の両社による合弁事業として、平成10年12月に設立(出資比率:太平洋セメント(株)60%、三井物産(株)40%)。
2. プロジェクトの概要
- ◆ 本プロジェクトは、国のエコタウン事業(注)に基づき千葉県により策定された「千葉県エコタウンプラン」(平成11/1に国により承認)の中で、一般廃棄物の中間処理施設を建設する「かずさクリーンシステム」と並ぶ中核施設として位置付けられるもの。
(注) あらゆる産業から排出される廃棄物をゼロにすることを目指すゼロエミッション構想を実現し、環境調和型の地域経済社会を形成するもの。国、自治体より施設建設補助金を受けることができる。
- ◆ 本プロジェクトは、千葉県下市町村から発生する都市ゴミ焼却灰を主原料として、下水汚泥等の産業廃棄物、石灰石等を加えたエコセメントを製造するものであり、現在市原市において、平成13年4月の運転開始を目指し、建設工事中である(事業費128億円、うち日本政策投資銀行融資額 51億円)。
- 廃棄物受入量(計画) 90千トン/年 (うち都市ゴミ焼却灰等62千トン/年、下水汚泥等産業廃棄物28千トン/年)
- エコセメント生産量(計画) 110千トン/年
3. エコセメントの概要
- ◆ エコセメントは一般廃棄物(都市ゴミ)焼却灰を主原料として、下水汚泥等産業廃棄物、石灰石等を加えて製造したセメントであり、本プロジェクトでは都市ゴミ焼却灰に含まれる塩素化合物を除去することによって通常のセメントに近い性状のものを製造する計画となっている。
- ◆ エコセメントの商業化は世界で初めてとされており、本プロジェクトを契機として今後エコセメントの利用が普及・拡大していくことが期待されている。
4. プロジェクトの意義
- ◆ 本プロジェクトの政策的な意義は次のとおり。
- 廃棄物の有効利用によるゼロエミッション構想の実現
- 最終処分場不足問題への対応
- ダイオキシン対策への対応(エコセメントの焼成工程において1350度で燃焼させるためダイオキシン類を安全に分解することが可能)
- 一般廃棄物の広域処理の実現
- ◆ 日本政策投資銀行としても、本プロジェクトをモデルケースとしつつ、ゼロエミッション構想の推進のため、国、自治体等とも密接に連携しながら、引き続きプロジェクトに取り組んでいく方針。
- 【お問い合わせ先】
- 日本政策投資銀行 環境・エネルギー部
Tel(03)3244-1635