日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成13年4月
  • 日本政策投資銀行

「ユニバーサルデザイン」についてのレポートを作成

日本政策投資銀行は、レポート『ユニバーサルデザインへの取り組みの現状と今後の課題~来るべき超高齢社会に向けて~』を作成しました。

ユニバーサルデザインとは、1990年、米国ノースカロライナ州立大学ユニバーサルデザインセンター所長で、建築家、工業デザイナーであるロン・メイス氏が提唱した概念で、年齢・体格・身体的能力の違いにかかわらず、全ての人に使用可能かつ使いやすいよう製品・建物・空間をデザインすることです。高齢者・障害者に配慮した社会環境の整備において、バリアフリーを一歩進めた概念として、近時、注目を浴びています。

バリアフリーが高齢者・障害者の円滑な生活を妨げるバリアの除去を目指しているのに対し、ユニバーサルデザインの目的は、最初から高齢者・障害者を含む全ての人のニーズを包括的に配慮し、最初から最大公約数のデザインを提供していくことにあります。

  • (例)ユニバーサルデザインの事例
    • シャンプー容器の突起(リンスには容器側面に突起がついている)
    • プリペイドカードの切りかき(カード別に切りかきの形が異なる)

我が国は、世界でも類も見ない急速かつ高水準の高齢化が予測されています。こうした状況下、バリアフリー化に要する追加的負担の回避等のために、高齢者・障害者を含む全ての人が等しく暮らしやすい社会環境を整備していくことが求められています。それに対応するためにユニバーサルデザインによる新たなものづくり、サービスの設計・開発を模索していく必要があると考えられます。

本レポートでは、そもそもユニバーサルデザインとは何かをまとめるとともに、国際標準化機構(ISO)等によるユニバーサルデザインの標準化を目指す動きなど普及に向けた取り組みについて紹介します。また、今後の課題として、1:ユニバーサルデザインの社会的認知促進、2:ユニバーサルデザイン化された社会資本の実現およびその設計・開発に反映させるシステムづくり、3:ユニバーサルデザインについての知見共有化のシステムづくり、4:連続性を確保した一体的なユニバーサルデザイン化推進のための分野・セクターを超えた連携、5:地球環境保全、社会資本の有効活用等と相互に連携した社会環境整備のための総合的取り組み、等を挙げています。

レポートの詳細についての問い合わせは下記のとおりです。

【お問い合せ先】
日本政策投資銀行
政策企画部
Tel 03-3244-1170