日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成13年8月1日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行、三和銀行・第一勧業銀行・日本興業銀行と共に、
廃プラスチックガス化リサイクル事業に対し協調融資
~宇部興産と荏原製作所の合弁プロジェクト~

日本政策投資銀行は、三和銀行・第一勧業銀行・日本興業銀行と共に、山口県宇部市にて廃プラスチック類をガス化リサイクルする(株)イーユーピー(福田俊男社長、本社:東京都港区)に対し、今般、協調融資することを決定いたしました。廃プラスチックを化学的に利用するケミカルリサイクル事業に対しては、当行初の融資となります。

1. 会社の概要

(株)イーユーピーは、宇部興産(株)と(株)荏原製作所が共同開発した加圧二段ガス化プロセス(EUP)により、廃プラスチック等の有機廃棄物をガス化リサイクルすることを目的として、平成12年6月に両社の折半出資により設立されました。

2. 加圧二段ガス化プロセス(EUP)の概要

宇部興産(株)及び(株)荏原製作所は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、(社)プラスチック処理促進協会と共同で実証試験を行い、平成12年に廃プラスチックのガス化リサイクル技術を確立しました。低温ガス化炉と高温ガス化炉から構成される二段ガス化プロセスにより、廃プラスチックは熱分解・部分酸化されて、再商品化製品である水素・一酸化炭素ガス(アンモニア等の化学製品の基礎原料)を生成します。また、廃プラスチックは種類を問わず、塩ビも分別することなく処理可能であり、原料中の塩素は塩化アンモニウム(肥料の原料)等にリサイクルされます。

廃プラスチックのケミカルリサイクルは、油化・高炉還元・コークス炉化学原料化といった手法がありますが、本プロセスで用いるガス化の手法は国内初の本格的な技術として注目されるところです。

3. プロジェクトの概要

平成9年に施行された容器包装リサイクル法により、平成12年度からプラスチック製の容器包装の再商品化が義務付けられていますが、当プロジェクトは、同法に基づき分別収集された容器包装廃プラスチック等の再商品化を受託するものです。

  • ◇処理能力:30t/日(年間約1万t)
    →平成15年5月までに約100t/日(年間約3万t)へ増強予定
  • ◇増強に伴う総事業費 :約40億円
  • ◇金融機関融資予定総額:約36億円(うち当行約16億円)

4. 環境面の効果

廃プラスチック等の有機廃棄物をガス化リサイクルすることで、環境負荷の低減が期待出来ます。

  1. 1:ダイオキシン類による環境汚染を心配することなく、廃プラスチックの再商品化が可能。
  2. 2:再商品化した製品ガスを化学原料等に利用することで、化石原料の使用量を削減(CO2の排出を軽減)。
【お問い合せ先】
日本政策投資銀行 産業・技術部 電話03-3244-1680