日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成13年10月19日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行が(株)マイカルにDIPファイナンスを決定
累計100億円の融資引き出し枠を設定

<概要>

借入人 :(株)マイカル(本社:大阪市中央区、浦野一雄代表取締役社長、資本金740億円、従業員約6千名(パート込み約2万名))
事業内容 :総合小売業
融資契約日 :平成13年10月19日
融資引き出し枠 :累計100億円
第1回融資実行予定 :平成13年10月下旬
第1回融資実行予定額 :40億円
担保 :クレジットカード会社に対する売掛債権
  1. 日本政策投資銀行は、(株)マイカルに対して事業再生融資を行うことを決定いたしました。

    当社は、平成13年9月14日に民事再生手続申立を行っており、現在、再建に向けて再生計画を策定中です。本件は、再生計画が確定するまでの間、事業価値を保全するための、いわゆるDIPファイナンスにあたります。

  2. 当社は、過去の業容拡大に伴う有利子負債増加と収益の悪化等により民事再生の申し立てに至ったもので、現在東京地方裁判所にて手続きが進められていますが、今後円滑に同手続を進めるためには、当面の運転資金確保が重要となっています。
  3. 現段階では、再生計画(案)の策定は緒に就いたばかりですが、(1)当社の店舗の中にはキャッシュフローを生み出しているものも相当程度存在しており、事業として保全すべき一定の価値が認められること、(2)現在、申立代理人により、当社再建に関心を有する複数のスポンサーとの交渉が始まっていること等、事業の経済社会的有用性や存続・発展可能性が認められることから、本来の事業価値が損なわれないよう事業の継続を図るため、本件融資を決定したものです。
  4. 当社は本件融資決定により、平成14年1月までの間に累計100億円の融資引き出し枠を得て、担保の範囲内で融資を受けられることになります。これによって、当面の運転資金確保に寄与するとともに、取引業者や消費者の信頼を回復し、事業価値の維持向上に貢献するものと考えています。

    なお、本件融資は、当社の事業継続によって発生するクレジット会社向け売掛債権を担保とすることにより債権保全を図っており、不動産担保は用いていません。

  5. 今後、再生手続が本格化するものと思われますが、当行では、債権者等利害関係人への適切な情報開示等を通じて関係者間での信頼関係を構築し、円滑な再生計画の策定が行われることを期待しています。
  6. 当行は、平成13年度から事業再生融資制度を創設し、さらに4月6日の緊急経済対策においても同制度の積極的な活用を図ることとされています。再生手続申立直後においては、関係者間の意志疎通などに円滑さを欠くケースもありますが、当面の運転資金を供給するとともに、関係者が十分に話し合いを行う時間を確保し、適切な再生計画が策定されるまでの間の事業価値を保全することが、DIPファイナンスを行う目的の一つと考えています。

    DIPファイナンスの検討にあたっては、当行は対象企業における経営責任、株主責任と事業、雇用を完全に切り分けて考え、残すべき事業の継続を図る一方で経営責任と株主責任が明確になるよう運用しております。

【お問い合せ先】
日本政策投資銀行 プロジェクトファイナンス部
TEL03-3244-1632