日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年1月21日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行、山陰合同銀行と連携し地方のM&Aを支援
-地銀のリレバン機能強化に寄与-

  1. 日本政策投資銀行は、この度、山陰合同銀行と共同でアドバイザーを務めることにより、自動車部品メーカーである安福ゴム工業株式会社の同業者買収(M&A)を支援しました。
  2. 自動車部品業界では、完成車メーカーによる部品供給者選別の動きや原価低減要請など、事業環境は厳しさを増しています。今回のM&A案件が成立した背景には、売り手側の富士機工株式会社が、グループ内でゴム事業を行う丸成ゴム工業株式会社をノンコア事業として切り離したいという意向がありました。

    一方、買い手側の安福ゴムは、今回の買収によって、顧客の集積する静岡県浜松地区での生産拠点の取得、商圏の獲得による事業拡大、同社の経営ノウハウ・資源の活用による丸成ゴムの競争力強化が図れるものと判断しました。

  3. 当行は、事業再構築や地方経済活性化等の政策課題の解決手段としてM&Aに取り組んでいますが、その一環として、企業情報・M&A情報が偏在し、専門的なサービスも不足している地方のM&A市場において、地方銀行の強みである域内情報を効率的に活用しつつ、当行が域外情報の補完や専門的なサービスを支援する「地銀M&Aネットワーク」を運営しており、本件はこのネットワークの活用案件となります。

    また当行は、山陰合同銀行と協力し、買収側の安福ゴムに対し、企業評価や買収スキームの検討等についてのアドバイスを行いましたが、こうした取組みは当行の持つM&Aノウハウを補完・移転しつつ、地方銀行のリレーションシップバンキング機能強化にも寄与するものと考えております。

  4. 日本政策投資銀行は、今後も地方銀行との協力関係を築きながら、政策的意義の高いM&A案件について、アドバイザーとしてサポートしていきたいと考えています。

<参考>

両社概要

○ 安福ゴム工業株式会社<従業員105名、売上高約48億円>
(URL:http://www.yasufuku.co.jp)
1963年に創業以来、工業用ゴム製品及び樹脂製品の製造・販売に従事。川崎重工業、ヤマハ発動機、本田技研工業などの優良顧客を有し、米国、インドネシア、ベトナムにも生産体制を築くなど、積極的に事業を展開
○ 富士機工株式会社<従業員890名、東証一部上場、売上高約600億円>
(URL:http://www.fujikiko-group.co.jp)
自動車部品・ステアリング・シート等の製造・販売に従事。日産自動車の他、近年では光洋精工やタチエスとの資本提携等により、主力製品の世界展開図る

案件概要

図1

安福ゴムは、富士機工の100%子会社である丸成ゴム工業の90%の株式を取得

案件成立の背景および意義(概念図)

図2