日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年1月23日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行、省エネ効果を保証するESCO事業に対し融資を実施

  1. 日本政策投資銀行は、滋賀県水口市の積水化学工業(株)滋賀水口工場において、ESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)事業※を実施する総合エネルギーサービス事業会社、(株)ガスアンドパワーインベストメントに対し、今般、融資を実施しました。
  2. この事業は、(株)ガスアンドパワーインベストメントが、積水化学工業(株)滋賀水口工場 において、コージェネレーションシステムを中心とする省エネルギー設備を設置し、その省エネルギー効果について、両社が締結したESCOサービス委託契約の契約期間中、積水化学工業(株)に対し保証するものです。
  3. 積水化学工業(株)は、環境創造型企業を目指し、従来より積極的に環境保全活動を推進していましたが、今般、今春よりスタートした環境中期計画「STEP‐2005」の一環として、省エネルギー効果が保証されることで安定的にエネルギー使用の合理化や環境負荷の低減効果が得られるESCO事業を取り入れることとしたものです。
  4. 当行では、(株)ガスアンドパワーインベストメントに対し、プロジェクトファイナンスの仕組を応用し、同ESCO事業からのキャッシュフローに依拠した融資を実施しました。今回の融資は、ESCO事業の利用による産業部門のエネルギー使用合理化をより一層推進するため創設された当行のESCO事業に対する融資制度適用第1号案件となります。
  5. 日本政策投資銀行としては、我が国で初めてUNEP金融機関声明に署名するなど、政策金融機関として経済的・社会的発展と環境保護との調和による我が国の持続可能な発展を支援しており、今後も環境対策事業であるESCO事業を推進していきます。

※ESCO事業は、省エネルギー改善に必要な技術、設備、人材等全てを包括的に提供するサービス事業で(詳細は下記)、その潜在市場規模は2.5兆円とも言われています。


ESCOとは-エネルギー効率改善のためのニュービジネス 財団法人 省エネルギーセンターHP(http://www.eccj.or.jp)より

財団法人 省エネルギーセンターHP(http://www.eccj.or.jp)より

■ ESCOの定義
ESCO事業とは、(従前の利便性を損なうことなく)省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、その顧客の省エネルギーメリットの一部を報酬として享受する事業である。
また、ESCO事業者は、事業の遂行にあたり、顧客との間において、エネルギーサービス契約を締結し、一定の省エネルギー効果を保証する。
■ ESCO事業の概要
ESCO事業とは省エネルギー改善に必要な、技術・設備・人材・資金などすべてを包括的に提供する事業です。
ESCO事業の特徴は、以下に示すとおりです。

1. 光熱費等経費の削減分で全ての経費を賄う

省エネルギー改修に要した投資、金利返済、ESCOの経費等は全て、省エネルギーによる経費削減分で賄われます。また、契約期間終了後の経費削減分は全て顧客の利益となります。

2. 省エネ効果をESCOが保証する

ESCO事業導入による省エネ効果をESCOが保証します。(パフォーマンス契約)

3. 包括的なサービスを提供する

ESCOは、省エネ診断、改修計画の立案、設計・施工管理といった直接工事に関わるサービスとともに、改修後の運転管理、資金調達、会計分析を含む包括的なサービスを提供します。

4. 省エネ効果の検証を徹底する

改修工事後の効果の検証を徹底して行います。工事後の効果に責任を持つことから、通常の省エネ改修工事より省エネ効果が高くなると評価されています。

5. 資産ベースによらない融資環境(プロジェクト・ファイナンス)

ESCO事業の場合、事業の採算性が融資の担保となります。

また、ESCO事業の典型的な業務内容は、予備的な省エネルギー診断(予備診断)に始まり、以下のような一貫した内容になっています。