日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成15年8月25日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行とみずほフィナンシャルグループによる
日本冶金工業に対する資金調達支援スキームについて
~私的整理ガイドライン適用企業でわが国初の手形債権流動化~

日本政策投資銀行(総裁:小村武)と株式会社みずほフィナンシャルグループ(社長:前田晃伸)は、私的整理ガイドライン下で経営再建中の企業(日本冶金工業グループ)の保有する手形債権の流動化スキームを、わが国においてはじめて開発した。

みずほフィナンシャルグループと日本政策投資銀行は、本年7月に共同で再生アドバイザリー会社(みずほアドバイザリー)を立ち上げたが、本件はみずほアドバイザリーを通じた両者共同でのはじめての事業再生案件となる。

製造業の多くは割引手形に運転資金を大きく依存しているが、私的整理ガイドラインでは 割引手形が残高維持の対象外となることから、同ガイドライン下で再生を目指す企業が割引手形による資金調達を受けにくい状況が発生していた。

今回のスキームでは、日本冶金工業グループの保有する80億円相当の手形をみずほ信託銀行に信託し、優先受益権と劣後受益権に切り分けたうえで、優先受益権をみずほ信託銀行が取得するための資金を日本政策投資銀行とみずほコーポレート銀行が供与する。資金供給については、当社グループの再建期間を通じて、責任財産限定特約付ローンに基づき両行から供与されるものであり、この仕組みを活用することにより、日本冶金工業グループは受取手形による資金調達が可能になる。

優先受益権取得資金に係る融資部分は、格付機関からダブルA相当の格付を取得する見込みであり、本スキームの活用により金融機関は、私的整理ガイドライン等を活用した経営再建中の企業に対しても資金供給を行いやすくなることから、再建を目指す企業の新たな資金調達手段の拡大につながることになる。

今後とも、日本政策投資銀行とみずほフィナンシャルグループは再生企業に対する支援に関し、積極的に協力していく方針である。


(スキーム図)