日本政策投資銀行

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  • 平成15年8月29日
  • 日本政策投資銀行

平 成 1 6 年 度 概 算 要 求 に つ い て

日本政策投資銀行(総裁:小村武)は、平成16年度概算要求を取りまとめ、本日、財務省に提出いたしました。

1. 平成16年度概算要求の特徴

平成16年度予算要求に当たっては、国の経済財政政策の方針及び特殊法人改革の趣旨を踏まえ、民間金融機関と協調しつつ、真に政策的に必要な分野への資金供給を確保することを基本スタンスといたしました。

主な特徴は以下の通りです。

(1) 民間とのパートナーシップによる市場創造型構造改革の促進

民業補完の精神を十二分に踏まえつつ、民間金融機関との密接なパートナーシップにより、金融市場の創造、産業分野における付加価値の創造、地域における事業の創造等、市場創造型の政策金融機能をさらに強化し、我が国の構造改革の促進を支援します。(「2.重点要求項目」参照)

  1. 新たな金融市場の創造:不動産以外の資産を担保にした出融資や各種のコベナンツ付出融資等、企業の生むキャッシュフローをより重視した多様な事業資金の供給手法を創造します。
  2. 産業における付加価値の創造:株式公開前の企業を対象とした投資資金の流動化による事業の活性化、新たな産業分野の開拓に貢献する高度な技術力や独自のノウハウを有しているベンチャー企業や中堅企業による新産業の創出・活性化、環境スコアリングによる環境配慮型経営の支援等、環境にも配慮した産業の活性化に貢献します。
  3. 地域における事業創造:リレーションシップバンキング機能を前提とした地域金融機能の高度化の推進により、地域における事業の維持、拡大に貢献します。

(2) 特殊法人改革の趣旨を踏まえた規模要求

a) 適切な投融資規模の要求

民間金融機関と協調しつつ、真に政策的に必要な分野に長期・固定の資金供給を図るとの観点から、投融資要求規模は平成12年度<通期ベース初年度>当初計画比 ▲約1兆円の1兆1,780億円とします(15年度当初計画比同額)。

(参考)16年度要求額と近年の当初計画額との比較

(単位:億円)

年度 当初計画額 12年度計画額との比較
平成12
13
14
15
16
22,300
16,000
12,000
11,780
11,780

▲  6,300
▲ 10,300
▲ 10,520
▲ 10,520
b) 財政融資資金特別会計からの借入の縮減および政府保証債の発行増額等による本行調達の市場化促進

財政融資資金特別会計からの借入金は、平成12年度当初計画比▲約1兆円の5,850億円(15年度当初計画比▲3.0%)とし、依存度を一層引き下げる一方、政府保証債の発行額の増額に加え、政府保証債の発行条件の多様化に向けた検討を進め、本行の調達構造の市場化を促進します。 また、財投機関債については、15年度発行予定額と同額の2,400億円の発行規模を確保、円滑な発行に努力致します。

(3) 政策評価等を踏まえた要求段階からの制度見直し

全投融資プログラムの政策評価を実施し、それを踏まえて概算要求段階からの大幅な制度見直し・スクラップを行いました。見直し制度数は廃止も含め20制度を超えます。

2.重点要求項目

当行投融資において主眼とされている三分野(構造改革・経済活力創造、自立型地域創造、豊かな生活創造)の中では、経済財政諮問会議等、政府における重要会議の方針(経済構造改革、都市再生、地域の自立・活性化、環境問題への対処等)等を踏まえ、経済構造改革への支援の強化を主眼としつつ、以下の項目を中心に要求を行います。

(1) 事業資金の円滑な供給や新産業分野の促進等による経済活力の創造

  1. 金融技術の活用による事業資金の供給方法の多様化

    企業の生むキャッシュフローをより重視しつつ事業資金の供給方法の多様化を図り、企業の資金調達の一層の円滑化を促進するための専用制度を設けます。

  2. 投資事業再生・流動化促進事業(ファンド)

    ベンチャー企業、中堅企業等、株式公開前の企業を対象とした投資資金の流動化を促進し、事業の活性化を図るとともに資金供給の円滑化を図ります。

  3. 新産業創出・活性化

    新たな産業分野の開拓に貢献する高度な技術力や独自のノウハウを有しているベンチャー企業や中堅企業に対する資金供給を行うことで、次世代を担う新産業を創出し、我が国の経済の活性化を図ります。

  4. 知的財産有効活用事業

    信託等を利用したスキームにより、知的財産を有効に活用し、知的財産の開発および利用事業の促進を図ります。

(2) 地域の金融機関との連携および自立的な地域の創造

  1. リレーションシップバンキングを通じた地域中堅企業への支援の強化

    リレーションシップバンキング機能の活用により、地域への経済波及効果や雇用等の面で地域経済の自立的な発展に貢献をしている中堅企業の事業の維持・拡大を引き続き支援します。

  2. 地域の自立・活性化への貢献

    PFI、PPPについて引き続き積極的に取り組むとともに、都市再生ファンド等、地域の目玉となるプロジェクトへの資金供給の円滑化を図り、自立的な活力ある地域づくりに貢献します。

(3) 地球環境問題への対処等、豊かな環境・生活の創造

  1. 環境問題への対処

    環境に配慮した経営を行う企業をスコアリングシステムにより選定し、その企業が行う環境対策費用・投資資金の調達を支援することで、企業の行う環境面の取組を促進する他、建築物の省エネルギーを推進する取組への支援を強化します。

  2. 都市の防災性能の向上

    密集市街地における防災街区整備事業等への支援の強化や、河川流域における雨水貯留浸透施設の整備事業への支援を行い、都市の防災性能を向上させることによって、安心して暮らせる街づくりに貢献します。

【お問い合せ先】
日本政策投資銀行 総務部(広報担当)
Tel 03-3244-1900