日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成15年11月20日
  • 日本政策投資銀行

「SOHOコンバージョン支援センター」の開設について

  1. 日本政策投資銀行は、大型ビルの大量供給により発生した中小オフィスビルの空室を活用したSOHOコンバージョン事業とそのマネジメント手法である家守事業(注)の普及を積極的に支援するため、「SOHOコンバージョン支援センター」を首都圏企画室内に開設しました。
  2. 「SOHOコンバージョン支援センター」の具体的な活動内容は以下の通りです。
    • SOHOコンバージョン事業と家守事業に関する調査および広報活動
      両事業の必要性や効果、事業化のための手法や仕組みの調査および研究を行い、それらを対外的に広く発出していきます。
    • 地域におけるSOHOコンバージョン事業と家守事業に関するアドバイス業務
      地域で両事業に関して潜在的なニーズを抱えているコミュニティや自治体等に対しその仕組みと考え方、メリット、成立させるための条件等につき情報提供やアドバイスを行います。
    • SOHOコンバージョン実務者ネットワーク(家守)との連携サポート
      具体的な事業化を検討される場合には、個々の地域ニーズに対応可能な家守と地域コミュニティとの連携を促すとともに、事業成功に向けてのサポートを行います。
    • 資金調達の仕組の企画(家守ファンド等)
      SOHOコンバージョン事業および家守事業における資金調達では、家主はその規模から資金負担力には限界があり、事業の性格から不動産担保等も想定しづらいのが実態です。そのため、ファンド形式を含めたファイナンス手法の企画検討を行って参ります。
  3. 日本政策投資銀行は「SOHOコンバージョン支援センター」において地域の活性化に寄与し起業家育成にも資する本事業の普及を支援してまいります。

    また、本件に関して地域金融機関との連携を強化し積極的に技術移転を行うことで、地域におけるリレーションシップバンキング機能強化を図り、地域金融機能の円滑化・高度化を推進します。

※ 「SOHOコンバージョン支援センター」は、これまで首都圏企画室内に設置されておりましたが、
H17年度より地域企画部内に移転しております。


(注)SOHOコンバージョン事業とそのマネジメント手法である家守事業の具体的な事業内容

企業向け中小オフィスビルの空室をSOHO(Small Office/Home Office)へ改装し、ITやソフト、デザイン関係など地域産業に着目したテナントマネジメントやインキュベーション機能の導入により、起業家の育成や地域の活性化、コミュニティや地域産業の再生を目指すものであり、単なる不動産の改修・維持管理事業とは全く異なる概念です。このアイディアは、都心部における空室化の進行によりコミュニティ崩壊が危惧される地域に対する対応策を当行や(財)千代田区街づくり推進公社他が議論する中で生み出されたもので、全体の企画運営の中核となる主体を神田の歴史から引用し家守(やもり)と呼んでいます(※)。単体のビルだけでなく、複数オフィスビルに散在する空室を地域単位で束ね、あたかも1棟のビルであるかの様にマネジメントすることで効率化を図ることも考えられます。(下図参照)

※江戸期「家守(やもり)=大家」が地主に代わり宅地内全てを差配した。家守は資産管理者として賃料を確実に得るための店子の業種選定から起業育成までを担い、町の所用を行い町全体のマネジメントもしていた。