日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年4月2日
  • 日本政策投資銀行

国内最大の廃棄物処理PFI事業に対し、
国内で初めて、都市銀行・日本政策投資銀行による
「延長オプション付ローン」を供与

  1. みずほコーポレート銀行と日本政策投資銀行は、倉敷市・資源循環型廃棄物処理施設整備運営事業(以下、「本事業」という。)向けプロジェクトファインスのリードアレンジャーとして融資組成の取り纏めを行い、協調融資行として、東京三菱銀行、中国銀行、住友信託銀行、山陰合同銀行、山口銀行、及びトマト銀行と共に、3月29日に融資を実行しました。
  2. 融資先は、「水島エコワークス株式会社」。同社は、倉敷市の水島コンビナートに立地するJFEスチール株式会社、中国電力株式会社、旭化成ケミカルズ株式会社、株式会社クラレ、株式会社ジャパンエナジー、新日本石油精製株式会社、日本ゼオン株式会社、三菱化学株式会社、三菱瓦斯化学株式会社、三菱自動車工業株式会社に加え、岡山県及び倉敷市がそれぞれ出資した特別目的会社(SPC)です。
  3. 総事業費は223億円。つなぎ資金も含めたファシリティ総額は234億円と、国内PFIにおいては過去最大。
  4. 本事業は、国内PFI初の一般廃棄物等と産業廃棄物とを混合処理(555トン/24h)する事業。岡山県倉敷市から排出される一般廃棄物等に、産業廃棄物を混合して処理することで、施設規模拡大に伴うスケールメリットの確保、ごみ質低下に対応した産業廃棄物の補助燃料材としての活用、一般廃棄物の処理コストダウン効果 等が実現可能。また処理方式に最新鋭のガス化溶融技術「サーモセレクト方式」を導入、廃棄物の持つエネルギーをクリーンな燃料ガスとして回収するほか、不燃分は再資源化可能なスラグやメタルとして取り出し建設資材等に有効利用することができます。さらに公共用水域に排水しない完全クローズドシステムで、ダイオキシン類の発生がほぼ「0」となる、環境性能の高い廃棄物処理施設です。
  5. 本事業は、過去最大規模の運営型PFI事業(BOO方式)で、廃棄物処理施設の建設、運営、維持管理及び産業廃棄物の確保を全て民間が請け負います。みずほコーポレート銀行と日本政策投資銀行は、民間が請け負う業務を詳細に分析した上、適正なリスク分担を踏まえた仕組みを提案。期間16年の一般的なプロジェクトファイナンス(含む、日本政策投資銀行の制度融資「社会資本整備促進融資(無利子融資)」)に加え、産業廃棄物の市況変動に対応するため、国内 PFIで初めての都市銀行・日本政策投資銀行による「延長オプション付ローン」を供与し、事業における安定した資金の流れを構築しました。

「延長オプション付ローン」:一定条件の下、元本の返済期限を延長できるローン

これまでの都市銀行・日本政策投資銀行による国内PFI向けプロジェクトファイナンスでは、返済期限が固定化されておりましたが、一定の条件下において元本返済を猶予し返済期限が延長できる「延長オプション付ローン」が導入されることで、事業計画策定において、資金の流れの安定化が図られました。


< プロジェクト概要 >

◆ 倉敷市・資源循環型廃棄物処理施設整備運営事業

  • ◇ 事業主体
    • 水島エコワークス株式会社(資本金2,300百万円)
      株主名 持ち株比率/金額
      JFEスチール(株) 38%/ 874百万円
      中国電力(株) 16%/ 368百万円
      旭化成ケミカルズ(株) 2%/ 46百万円
      (株)クラレ 2%/ 46百万円
      (株)ジャパンエナジー 2%/ 46百万円
      新日本石油精製(株) 2%/ 46百万円
      日本ゼオン(株) 2%/ 46百万円
      三菱化学(株) 2%/ 46百万円
      三菱瓦斯化学(株) 2%/ 46百万円
      三菱自動車工業(株) 2%/ 46百万円
      岡山県 10%/ 230百万円
      倉敷市 20%/ 460百万円
      合計 100%/ 2,300百万円
  • ◇ 運営期間 : 平成17年4月~平成37年3月(20年間)
  • ◇ 設備概要 : ガス化改質方式による「サーモセレクト方式」、555トン/24h(185トン/24hX3炉)
  • ◇ 総事業費 : 223億円