- News Release
- 平成16年5月18日
都市再生プライベート・メザニン・ファンド
~200億円の私募ファンド メザニンファイナンスの新規展開~
- 日本政策投資銀行と野村證券株式会社は、このたび、本格的メザニンファンドである都市再生プライベート・メザニン・ファンドを設立し、投資家資金の運用を開始しました。
- 本ファンドは、機関投資家を主な投資家としたプライベートファンドで、日本政策投資銀行と野村證券株式会社が、自己資金を投入するとともにファンドの運用・指図を行います。両社は、ファンド資金の運用を投資家から一任されており(自己資金を含む)、この資金を用いて複数の不動産プロジェクトに対するメザニン投資を展開していきます。
- 本ファンドは、日本政策投資銀行と野村證券株式会社のそれぞれの強みを生かしたパートナーシップ事業であります。日本政策投資銀行の不動産ファイナンスにおけるノウハウ・経験および野村證券株式会社の投資家シンジケーションノウハウの有機的連携をもとに、計8社の機関投資家の信任を頂くことができました。
- 昨年来、日本政策投資銀行は、個々の不動産プロジェクト向けに個別の都市再生ファンドを設立してきました。また、野村證券株式会社も、国内不動産ファイナンス(アセット・ファイナンス)分野でのビジネスの活動を過去5年以上にわたって積極的に行ってきました。本件は、そうした活動を超えて、不動産ファイナンス市場の投資家の裾野を広げるべく、本格的な投資ファンドの設立に取り組んだものです。機動的な運営を通じたスピーディな投資決定、複数投資を行うことによる分散投資効果、といったメリットを活かして、メザニンファイナンス市場の活性化を目指し、また日本の都市再生に貢献していきます。
(資料1)
都市再生ファンドの背景
メザニンファイナンスとは
メザニンファイナンスとは、従来より金融機関が取り組んできたシニアファイナンスより投資リスクが高い資金です。
シニアファイナンスとは、投資リスクが低い資金であり、日本において発行されている社債、金融機関から供給されている融資の多くがシニアファイナンスに該当します。対して、メザニンファイナンスは、シニアファイナンスよりも返済順位が低く、投資リスクが高い資金になりますが、米国等幅広い投資家層を抱えるマーケットにおいては多様な資金供給手段の一つとして重要な役割を果たしており、シニアファイナンスより高く投資リスクに見合った金利水準が設定されることによって投資資金としての経済合理性が確保されています。
しかしながら、特に不動産開発事業は、建設に関するリスク、将来の事業性に関するリスク等が存在するため、我が国では現在、開発型メザニンファイナンスマーケットは存在しておりません。また、既存不動産に対するメザニンファイナンスマーケットも小規模なものに留まっております。
メザニンファイナンスの導入によって、個々の事業において財務レバレッジの引き上げおよびエクイティ所要額の削減を行うことができることから、事業スポンサーにとっては、投資リターンが改善されるとともに、資金を他のプロジェクトに活用することができます。投資家の投資余力の増大を通じて都市再生のより一層の推進が期待されます。
(資料2)
ファンドの概要
◆ファンド名 | 都市再生プライベート・メザニン・ファンド |
---|---|
◆ファンド規模 | 200億円(予定、現時点170億円) |
◆ファンド期間 | 10年間 |
◆ファンドの運営 | 日本政策投資銀行・野村證券株式会社 |
◆ファンドの主要な運用対象 | 不動産プロジェクトに対するメザニンファイナンス |
◆ファンド形態 | 指図型合同運用金銭信託 (受託者:野村信託銀行株式会社) |
◆投資家数 | 8社(現時点) |
◆主な投資家 | 地方銀行、損害保険会社その他中央金法 |