日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年6月1日
  • 日本政策投資銀行

新日化ポリマー(株)のMBOに係る協調融資について
~地域金融機関と日本政策投資銀行による初のMBO案件~

  1. 千葉興業銀行及び日本政策投資銀行は、このたび、新日化ポリマー(株)のMBO(Management Buy-Out)に係る協調融資を実行しました。本件協調融資は、地域金融機関と日本政策投資銀行との共同アレンジによる初のMBO案件であり、また、両行間で平成16年2月に締結した業務協力協定に基づく第1号案件であります。
  2. [旧]新日化ポリマー(株)(新日鐵化学(株)の100%子会社)は、今般、新日鐵化学(株)が推進する事業再構築を契機に、主力事業であるポリスチレン製カップ、リッド(飲料カップの上蓋)等の製造を手掛ける包材部門の一層の発展を図るため、米国AIGグループが運営する投資ファンドの出資を受けた新会社([新]新日化ポリマー(株))にMBOの手法を通じて同部門の営業を譲渡することとなりました。新会社は、「日本一のカップメーカー」を標榜する安田憲一社長をはじめとする新経営陣の下、平成16年6月1日より営業を開始しています。
  3. 本件協調融資は、千葉興業銀行及び日本政策投資銀行の共同アレンジにより、物的担保や保証に依存せず事業価値に着目した「キャッシュフローレンディング」の考え方をベースに組成されたシンジケート・ローンです。銀行団は、主として以下の点を評価して、新会社に対する融資を決定しました。
    • 大手ファーストフード向けのプラスチックカップやリッドをはじめ、食品容器・包材分野で国内トップクラスのシェアを誇る同社製品群の商品力
    • プラスチック成形技術や適切な衛生管理による品質面の評価はもとより、多品種・短納期対応等を通じて幅広い需要家から高い評価を得ている優れた事業オペレーション
    • 主力の包材事業に特化するとともに、コスト構造の見直しや新たな需要家ニーズへの対応等、MBO案件への投資実績を有するAIGのサポートの下で、斯業界に精通した安田社長の主導により進められる実現可能性の高い事業計画
  4. 千葉興業銀行と日本政策投資銀行は、平成15年3月に金融庁より公表された「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」を踏まえ、企業の多様な資金調達ニーズに対応すべく、今後もこうした連携を図ってまいる所存です。