日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年6月7日
  • 日本政策投資銀行

みずほ銀行・日本政策投資銀行が鈴木産業株式会社に対し
和議の早期終結のためのEXITファイナンスを実行
~環境関連事業では初のEXITファイナンス~

【概要】

借入人 :鈴木産業株式会社
(東京都北区、鈴木清ニ郎社長、資本金約24百万円、従業員26名)
事業内容 :特殊金属屑(ニッケル純度の高い金属屑)リサイクル事業
融資実行日 :平成16年5月31日
融資金額 :2行計 19億円(みずほ銀行10億円、日本政策投資銀行9億円)
  1. みずほ銀行及び日本政策投資銀行の2行は、今般、鈴木産業(株)に対して、早期和議終結のための融資(EXITファイナンス)を協調して実行しました。
  2. 鈴木産業(株)は川口市に拠点を置き、我が国がほぼ全量を輸入に依存するニッケルをはじめとするレアメタルのリサイクル事業では確たる地位を占めていましたが、平成10年2月に和議申請を余儀なくされました。その後現在まで、和議計画に則り、債務の弁済を滞りなく実行してきました。
  3. 本件は、早期和議終結により会社の信用をより高め、事業基盤の一層の安定化を目的として、みずほ銀行と日本政策投資銀行の2行が協調して、残る和議債務の一括弁済資金融資を実行するものです。
  4. 今回のスキームは、地場の中堅企業である鈴木産業(株)の優れた選別技術やノウハウに着目し、ステンレスや超合金の主原料であるニッケル等希少金属のリサイクルの事業性を評価したキャッシュフローに基づくファイナンスであり、環境関連事業に対するEXITファイナンスでは両行として第1号案件となります。
  5. これにより当社は、和議を約9年前倒しして早期に終結させることができます。当社は和議会社から脱却することによって経営の自由度が向上するのみならず、取引先からの信用力アップ、さらにはビジネス機会の拡大も期待されます。
  6. このようなスキームにより、今後、地域における中堅企業をはじめとする産業経済の健全な維持向上に資する事業基盤の再生・整備が図られることが期待されます。みずほ銀行・日本政策投資銀行は今後も共同で事業再生ファイナンスへの取組みを推進していく予定です。

以上


EXITファイナンスとは・・・

民事再生手続、会社更生手続下にある企業が、自社の債権者が有している再生債権、更生債権等を前倒しで一括弁済するための資金を調達するための融資。一括弁済によって法的手続から脱却し自立した経営が可能となることに加え、取引先からの信用力アップや銀行取引正常化なども期待できる。

本案件のスキーム