日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年8月19日
  • 日本政策投資銀行

日本初の、「SPC方式」によるアニメーション制作資金融資を実行
-知的財産権有効活用支援事業制度第一号案件-

  1. 日本政策投資銀行は、この度、東京三菱銀行と協調し、(株)ゴンゾが制作を行う新作アニメーション作品に関して、「SPC方式」による制作資金融資を実行致しました。本件は、日本政策投資銀行が平成16年度から開始した「知的財産権有効活用支援事業制度」の第一号案件となります。
  2. 従来、日本の映像作品は製作委員会方式を用いたエクイティによる制作資金調達が中心でしたが、本件は製作委員会方式の課題に対応しつつ、著作権の分散を防ぎ、SPCによる一括管理を行うことにより長期間に亘る知的財産権の効率的な活用を促進すると共に、ノンリコースローン及び外部投資家の導入も可能とし、コンテンツ産業の振興に資するスキーム構築を実現しています。

    本件は、制作資金調達の新たな形を生み出すと共に、著作権の一元的な管理が出来る体制を構築することで、世界に通用するコンテンツ事業者輩出の為の基盤整備を企図しています。

    (スキーム図)

  3. 本件アニメーション制作を担う(株)ゴンゾは、2Dカットと3Dカットの融合による作品制作等、そのデジタル技術において日本有数の企業です。また、同社を傘下に有し、本件に出資を行う(株)GDH(社長:石川真一郎、東京都新宿区、Tel:03-5358-1922)は、特徴ある作品のリリース及び版権ビジネス展開等により近時著しい成長を実現しており、ライツビジネスの新たな形を模索するその姿勢は、本件実現のコアにもなっています。
  4. 日本政策投資銀行では、平成16年度より知的財産権の有効活用を企図した新制度を開始しており、本件はその第1号案件となりますが、引き続き、日本が高い競争力を誇るアニメーション分野をはじめとしたコンテンツ事業分野における企業支援及びファイナンススキームの構築などに注力していく考えです。