日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年2月1日
  • 日本政策投資銀行

いわて生活協同組合に対し、
岩手県で初めての「環境配慮型経営促進事業」融資を実行

  1. 日本政策投資銀行は、このたび「環境配慮型経営促進事業」の対象として、いわて生活協同組合(本社:岩手県岩手郡滝沢村、お問い合わせ先: 経営企画室 岡村又は広報室(TEL) 019‐687‐1321)を選定し、融資を実行しました。(実行日:2月1日)岩手県の事業者に対する制度適用の第1号となります。
  2. 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化、優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。

    本制度の特徴としては、業種による環境対策の相違を反映したスクリーニングシートのバリエーション展開を図っている点があげられます。 現在、製造業3種類、非製造業10種類のバリエーションが用意されていますが、本件においては、「小売業」バージョンを適用しています。

  3. いわて生活協同組合は、岩手県を事業エリアとする国内第19位(平成16年度供給高371億円)の生活協同組合です。 当社は生協という組織形態を活かし、本業と不可分一体的なものとして環境経営を展開しており、特に、環境意識の高い組合員の参加・協力を得ながらレジ袋やトレー等の削減を進め、容器包装3R(Reduce、Reuse、Recycle)を実践していること、店舗から排出される生ゴミ堆肥化を進めることで食品リサイクル関連の取り組みを拡大していること、環境配慮商品の売上の一部を県内森林保全キャンペーンにまわす等の活動を通じステークホルダーと環境コミュニケーションを充実させていることを、当行は高く評価いたしました。
  4. 当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価をしており、 54件(本件を含む)の融資(保証を含む)を実行しています。本件に代表されるように、地域に事業基盤を置く企業からの依頼も増えております。当行と致しましては、今後も、地域における様々な企業による環境に配慮した取り組みを、一層推進して参る所存でおります。

(参考)制度の仕組み

(1)特色

  1.  従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
  2.  製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
  3.  中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、 契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には 特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
  4.  「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に約120の設問を設定し、企業の取り組みを包括的に評価することが可能となっています。
  5.  設問内容は、環境関連法制度等の変更に伴い適宜見直しを図ります。本年度は、京都議定書発効に伴い地球温暖化対策、欧州法規制強化の動きに対応し化学物質管理、さらに土壌汚染対策などリスクマネジメント等の設問を強化しました。

(2)評価の方法

  1.  環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
  2.  配点は、250点満点ですが、このうち通常項目が200点、加点項目が50点満点です。
  3.  この250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
  4.  対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 得点 適用金利等
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 156点以上 政策金利III
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 140~155点 政策金利II
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 120~139点
(110~139点)
政策金利I
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 120点未満
(110点未満)
対象外

注) ( )内は中堅企業等

以上