日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成20年3月26日
  • 日本政策投資銀行

(株)PLANTに対し、ABL(在庫担保融資)を実施
~企業の成長資金に対する本格的なABLスキームを構築~

  1. 日本政策投資銀行(総裁:室伏稔)は、このたび(株)PLANT(本社:福井県坂井市、代表取締役社長:三ッ田勝規、JASDAQ上場)に対し、 ABL(ASSET BASED LENDING:在庫担保融資)を実行致しました。
  2. (株)PLANTは、ルーラル(田舎)立地、衣・食・住に亘る豊富な品揃え(ワンストップショッピング機能)、ローコスト運営を背景とした低価格戦略(EDLP:EVERY DAY LOWPRICE)、を特徴とする小売業界におけるスーパーセンター(SuC)業態のパイオニア的存在であり、地元行政と連携した地域交流スペースの運営高齢者向けサロン・託児所(いずれも無料)の設置、も含め地域密着・顧客指向型経営を進めております。

    (株)PLANTは、創業者三ッ田社長の経営手腕により、現在では18店舗(うちSuC:13店舗<売場面積約2,000~6,000坪 >)を全国展開するに至り、所謂「改正まちづくり3法」の施行を前に、新規3店舗を昨年より着工し今春以降の順次開業を予定しています。

    また、同法を踏まえた今後の出店戦略の見直しの他、一層の効率経営への転換策(PIP作戦:PROFIT INNOVATION PROJECT)を進める状況にあります。

  3. 日本政策投資銀行は、(株)PLANTから寄せられた新規出店資金のための融資期待に対し、出店後徐々に店舗が地域へ浸透していく事業上の特性等を踏まえ、当社が今後も持続的な成長を図っていくための財務戦略において、長期安定資金の確保が課題と判断致しました。

    そのうえで、長期ビュレット償還型(期限一括償還型)の安定資金を提供すべく、日常生活品を中心とした品揃えで価値の陳腐化が少ない当社の商品在庫(店頭在庫を含む)に着目した融資スキーム(ABL)を構築致しました。

  4. スキーム構築に際しては、ABLにおいて重要な要素となる商品在庫の担保価値を客観的に把握すべく、融資契約上種々のコベナンツ(誓約条項)を取り入れている他、換価・買取業務(リクイデーション)機能も有する(株)ゴードン・ブラザーズ・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金城亜紀)の在庫評価も活用しております。

    本件は、企業成長資金提供のためのABLと捉え、スキームを構築している観点から、日本政策投資銀行によるABLの新たな展開として位置付けられるものです。

  5. 日本政策投資銀行は、地域の企業の課題解決に必要となる処方箋(ソリューション)を提供するべく、新金融手法も含めたファイナンスによる支援に、今後も積極的に取り組む方針であります。

【参考】

ABL: ABL(ASSET BASED LENDING)とは企業の事業そのものに着目し、事業に基づく各種資産の価値を見極めて行う融資。本件ABLでは、小売業を営む(株)PLANTの業態を踏まえ、動産資産(=商品在庫)を価値評価のうえ担保徴求し融資を実行しています(=在庫担保融資)。日本政策投資銀行は、先駆けて取組んできた企業再生ファイナンス分野において、企業支援と債権保全の両立のため、これまでABLスキームを開発・導入してきました。斯かるスキーム構築力を下地に、ABL の多方面への展開を企図しています。
コベナンツ: 金融機関が用いる融資契約等の雛形は用いず、案件毎に借入人の実態を踏まえオーダーメードで規定していく特約条項(誓約事項)。本件ABLでは、PIPにより管理徹底される(株)PLANTの商品在庫管理の状況を、日本政策投資銀行が把握できる等の仕組みを取り入れています。

以上