日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成19年4月25日
  • 日本政策投資銀行

医療法人夕張希望の杜に対し、PPP融資を実施
~経営難に陥った公立病院再生のモデルケースに対する融資~

  1. 日本政策投資銀行は、北洋銀行及び北海信用金庫と連携し、夕張市立診療所等を運営する医療法人夕張希望の杜(理事長:村上智彦)の事業立ち上げに必要な資金として、病院指定管理者(※1)に対する全国初のPPP(※2 Public Private Partnership 公営事業民間化等促進)融資制度を適用しました。

    今回の夕張のケースは経営難に陥った公立病院再生のモデルケースになるものと評価されます。

    1. (※1) 公の施設の管理は、地方自治体の長の権限ですが、設置の目的を効果的に達成する必要があると認められるときは、条例の定めに基づき法人その他の団体で地方自治体が指定する者(指定管理者)に管理を行わせることができます。
    2. (※2) PPP融資制度は、国及び地方公共団体等の事業・資産を譲り受け、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して効率的かつ効果的に実施される事業を対象に低利の融資を行う制度で、平成15年度の制度創設後、これまで主として公営ガス事業の譲り受け等に対して融資実績があります。
  2. 夕張希望の杜は、夕張市立診療所及び夕張市老人保健施設の運営受託を目的として設立された民間医療法人です(平成19年4月より事業運営開始)。

    今回の融資に当たっては、公設民営方式を導入し、事業運営を民間が行うことより、経営の自由度が増し、事業を効率的に実施できること(経営を民間に任す)、地域医療の第一人者である村上智彦医師の下、その地域医療再生に対する情熱・理念に共感した常勤医師が2名確保される見込みにあること(熱意ある医師の確保)、地域の医療規模や実情に合った病院へのリニューアルに加え、夕張市の支援により、固定費を中心に費用面が大幅に削減されること(身の丈に合った病院へリニューアル)、地域金融機関との連携があること、を特に高く評価しました。

  3. わが国約9千の病院のうち1千を越える公立病院は、地方自治体の財政難や医師不足が深刻化する中で、その経営は厳しさを増す一方です。現状のままでの存続は難しいとされる一方、地域にとってその存在は不可欠という状況の中で、今回の夕張のケースはそれを解決するモデルケースと評価されます。日本政策投資銀行は、これまで病院に対して融資をはじめ様々な取り組みを行っておりますが、今後ともこうした公立病院の民間化はもとより、地域医療の確保並びに地域再生・活性化等に向け支援を行っていく所存です。

以上