MENU

THEME
DBJが向きあう11のテーマ

DBJ日本政策投資銀行
ENERGY:エネルギー
TRANSPORTATION:運輸・交通
URBAN DEVELOPMENT:都市開発
INFRASTRUCTURE:社会インフラ
RESILIENCE:復興支援
GROWTH:競争力強化
OVERSEAS:海外業務
HEALTHCARE:医療・福祉
ENVIRONMENT:環境
NETWORK:地域活性化
FRONTIER:金融資本市場活性化

世界のエネルギー資源獲得競争は熾烈を極める。
資源小国の日本は、エネルギーの長期的な安定供給体制の確保が求められる。

世界の人口は、現在の70億人超がそう遠くない将来100億人に達すると予測されている。人口増は世界経済の発展に寄与すると期待される半面、エネルギーの確保に深刻な懸念を生じさせている。とりわけ、エネルギーの自給率が6%でしかない日本にとっては、長期的な安定供給体制の構築が急がれる。日本の電力消費量は中国、米国に次ぎ世界第3位のエネルギー消費大国でもある。今後も経済や、あらゆるモノが通信機能を持つIoT(モノのインターネット)の発展・拡大によりさらなる消費増が見込まれる。
DBJは地球温暖化の進行などを背景に、温室効果ガスの排出量を削減し、低炭素社会を構築するために、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギー事業を地域金融機関などと協調して金融面から支援。ファイナンスの組成支援に加え、事業に即した最適スキームによる資金提供などにより、全国各地の事業をサポートしている。

CASE STUDY
株式会社グリーンエナジー津

グリーンエナジー津は、バイオマス燃料による発電事業を行うためにJFEエンジニアリング(以下、「JFEE」)によって2014年2月に設立された。DBJは同社に対し、「競争力強化ファンド」を活用してJFEEなどと共同出資。同ファンドを通じたメザニンローンの供与にも合意しており、シニアローンの貸出人である他の金融機関2行と役割分担しながら、プロジェクトファイナンス方式による全体のアレンジメントを行っている。
本事業は、未利用間伐材などを燃料とする発電出力約20メガワットの発電所を建設・運営するもので、津市が推進する環境にやさしく、災害に強いまち・むらづくりをめざす『バイオマス産業都市構想』にも合致。合わせて地域産業の競争力強化や、地域の雇用の質と量の向上にも貢献することから、地域創生に資する取り組みとして地元からも大きな期待が寄せられ、2016年8月に完工した。

写真提供:㈱グリーンエナジー津

人々の豊かな生活基盤となり、経済活動を下支えする交通インフラ。
経年劣化に伴うインフラ更新のみならず利用者の利便性の向上、
地域の発展のためにも整備・拡充が重要な課題となっている。

鉄道、道路、空港、港湾などの交通インフラは、経済活動を支え人々の暮らしを豊かに便利にするための基盤である。ところが、これまで日本の経済発展を支えてきた交通インフラにも課題は存在する。例えば老朽化した公共インフラの更新は、物流をはじめとした経済基盤や人々の生活基盤維持のために不可欠なものといえよう。さらに、恒常的に過密化している都市交通網における輸送力増強・効率化もそこに生活する人々の利便性向上につながる。空港の整備や航空ネットワークの拡充も増加する訪日旅行客へのおもてなしには欠かせない。人やモノが国内外でより縦横に移動する現在だからこそ、交通インフラが抱える課題の解決は重要である。
DBJは長年にわたって長期的な視点に立ったプロジェクトの形成をはじめ、中立的な立場を活かして複数の企業の連携をサポートしながら交通インフラの整備・拡充に尽力してきた。利用者の高齢化や環境問題に配慮しながら、交通インフラが抱える課題解決に向かう事業者を支援し続けている。

CASE STUDY
京王電鉄

その一例が、京王電鉄の「調布駅付近連続立体交差事業」への融資である。同社は新宿駅を起点とする京王線と、渋谷駅を起点とする井の頭線からなり、総営業キロ84.7キロの路線を運行する鉄道事業者。踏切による交通渋滞の解消や事故の防止、都市計画道路の立体化による市街地の一体化、利用者の利便性向上を図ることを目的に、事業主体の東京都、調布市とともに同事業に取り組み、2014年度に完了させた。同事業により、京王線の柴崎駅~西調布駅間及び相模原線の調布駅~京王多摩川駅間が地下化され、18箇所の踏切道を解消し、8箇所の都市計画道路が立体化された。さらにこれまで鉄道によって分断されていた市街地の一体開発や線路だった土地の有効活用を図ることが可能となり、今後の調布駅周辺地区の活性化が期待される。
DBJは輸送サービスの向上を通じて沿線住民の暮らしを豊かにし、沿線地域の発展に貢献する事業を高く評価し、融資を通じて京王電鉄を支援した。

写真提供:京王電鉄㈱

次代を見据えて快適な都市環境を整え、
新しい文化を生む「まちづくり」を後押しして社会の活性化へ。

都市基盤や都市機能の整備・高度化は、住まい手や働く人々にとってきわめて重要かつ大きな関心事でもある。訪日外国人が増加した近年は、観光地として、またビジネス立地として日本の魅力を訴求する上でも重要な問題である。DBJは1960年代から不動産事業への長期ファイナンスに取り組み、不動産証券化市場にはその黎明期から参画し、市場の活性化に取り組んできた。長年にわたって蓄積してきたノウハウやネットワークを活用し、ノンリコースファイナンスをはじめ様々なソリューションを提供しているほか、2011年度から「DBJ Green Building認証」制度の運用を開始し、環境や社会に配慮した取り組みを金融面からサポートしている。
2020年の東京五輪に向け、計画・検討されている都市開発プロジェクト・インフラ整備の状況を精査し、これらを契機にビジネス機会創出につなげる調査にも取り組んでいる。次代を見据えて快適な都市環境を整備することで、新たなビジネス機会が創出でき企業活動がいっそう活発化し、新たな文化が生まれ社会が活性化するはずである。

CASE STUDY
近鉄グループホールディングス/あべのハルカス*

地上300メートルと日本一の高さを誇る超高層複合ビル「あべのハルカス」。近鉄日本鉄道*が開発したこのビルには、百貨店、ホテル、美術館、展望台などの都市機能のほか、大学や大規模クリニックモールなどもテナントとして入居するオフィス機能を擁し、2014年3月の全面開業以降、連日多くの人で賑わいをみせている。「あべのハルカス」は、最高水準の耐震性能の実現や先進的な環境技術を採用するほか、鉄道7路線が利用できる大阪屈指のターミナル駅に直結しており、市内外の交通拠点として、関西国際空港や大阪国際空港からのアクセスも良く、大阪の南の玄関として、アジアだけでなく広く世界との新しい結節点となることが期待されている。
DBJはその竣工・オープンに先立ち、「DBJ Green Building認証※」で最高ランクを付与するとともに融資を実施した。持続可能な社会の実現に向け、環境や社会に配慮した都市の開発・再生に対する取り組みを積極的に支援していく。
*近畿日本鉄道が開発し、現在は近鉄不動産所有
※「DBJ Green Building認証」:不動産の環境性能や防災・コミュニティへの配慮などをDBJが独自に開発したスコアリングモデルにより評点化し、優れた不動産を選定・認証する制度

写真提供:近鉄不動産㈱

国や地方自治体の財政が逼迫する中、PPP/PFIは、
老朽化した公共インフラの更新などで活用が期待される分野の一つである。

社会インフラは、国民生活や様々な社会経済活動を支える基盤であるが、わが国では高度経済成長期以降に集中的に整備されたインフラが今後一斉に老朽化し、更新の必要が生じる。国土交通省の推計では、同省所管8分野(道路、港湾、空港、公的賃貸住宅、下水道、都市公園、治水、海岸)だけで、2011年度から2060年度までの50年間に必要な更新費用は約190兆円に上ると試算される。今後インフラの高齢化に的確に対応するとともに、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備え、また、グローバルな都市間競争や少子・高齢化、地球温暖化などに対応したインフラの整備が必要とされる。一方で、日本の厳しい財政状況の中で上記インフラ整備を実現していくには、PPP(Public Private Partnership、公民が連携して公共サービスを提供する様々な手法)、特にPFI(Private Financial Initiative、民間資金やノウハウを活用して施設の整備や維持管理運営などを行う手法)の積極的な活用が期待されている。DBJは、戦後復興期から、交通インフラをはじめ空港、鉄道、さらに放送・通信など幅広い分野でインフラ整備を支えてきた金融機関として蓄積した知見を活かし、PPP/PFIに係る各種調査・情報発信などに加え、多様なPPP/PFI事業の発掘・形成支援、リスクマネーの供給などにより社会インフラの整備推進に貢献していく。

CASE STUDY
関西エアポート株式会社

オリックス㈱、仏VINCI Airports S.A.S及び関西を代表する有力企業、計32社が出資して2015年12月に設立された関西エアポート㈱。同社は現在、新関西国際空港㈱と締結した公共施設運営権実施契約に基づき、国内最大の空港コンセッション事業として関西国際空港と大阪国際空港の一体運営事業にあたっている。DBJは、当該事業が今後見込まれる空港民営化の先行事例となり、関西における国際拠点空港としての機能の強化、ひいては関西経済の活性化に寄与するものとして高く評価し、12の金融機関とともにシンジケート・ローンを組成した。本件は、国内初のコンセッション事業に対するプロジェクトファイナンスであるとともに、国内のプロジェクトファイナンスとしても過去最大規模となっている。

写真提供:関西エアポート㈱

“災害大国ニッポン“にとってセーフティネットの強化は、
国民を守り持続的な発展に不可欠な最重要テーマである。

日本は地震大国、災害大国と呼ばれる。国土面積は世界の国のわずか0.25%。それでも毎日のように地震が記録されるのは、地震や火山活動が活発な環太平洋変動帯に位置するためである。未曾有の被害をもたらした2011年の東日本大震災後も、数度にわたり福島、長野、静岡などでマグニチュード6以上の地震が観測されている。また国土が南北に細長く、その中央部に山脈が連なる地形により流れの速い河川が多く、台風・豪雨時に大水害が起きやすいのも特徴である。“災害大国“である以上、防災・減災対策とともに、いち早く復興を遂げるためのセーフティネットの強化は半永久的な最重要課題である。
DBJは、2008年10月より指定金融機関として危機対応業務にあたってきた。同業務は、内外の金融秩序の混乱、大規模な災害、テロリズム、感染症などの危機発生時において、危機の被害に対処するために、必要な資金を迅速かつ円滑に供給するもの。東日本大震災発生時は、情報・ノウハウ・人材をフルに活用して迅速かつ機動的に危機対応にあたった。

CASE STUDY
くまもと復興応援ファンド

DBJは、平成28年(2016年)熊本地震に対処するために、地震直後の2016年4月28日に、復興支援に有益な知見・金融ノウハウの提供を目的とした「熊本地震復興支援室」を九州支店内に設置。その後、同地震で被害を受けた企業の復旧・復興を支援するため、九州フィナンシャルグループ傘下の肥後銀行及び鹿児島銀行と協働して2016年7月、「くまもと復興応援ファンド」を組成した。当ファンドは、災害からの復旧・復興に資する事業者に対して、通常の融資に加えて劣後ローンや優先株式の引受などの資金を供給することにより、被災地域の早期復旧・復興及び再生を支援するのが目的である。
地域事情に精通し、被災地域に広範な顧客基盤を持つ肥後銀行及び鹿児島銀行と、投融資一体型の金融サービスを提供するDBJが連携することで、有効かつ効率的な支援を行っていく。

DBJはリスクマネーの供給で企業の新たな取り組みを支援し、
競争力強化を図ることでイノベーションを導いていく。

日本企業の競争力強化はいまや待ったなしの重要課題である。80年代から90年代前半までは海外機関の調査によりランキング1位になったこともあるが、現在は欧米先進国だけではなくアジアの台頭の前に苦戦。圧倒的に強かった電気・電子分野でも、一部製品でアジア諸国の後塵を拝するほどである。だが政府主導による成長戦略などによって力強く日本経済を成長させるには、中心プレイヤーとなる企業の競争力強化が何より重要である。
DBJは、次なる成長に果敢に向かう企業戦略を後押しするため、リスクマネーの供給にも力を入れてきた。その一環として2013年には「競争力強化ファンド」を創設。新たな事業領域の開拓や企業間の戦略的連携によりイノベーションや企業価値向上を後押しする狙いからである。2015年のDBJ法改正により、「競争力強化ファンド」を強化・発展するものとして国の一部出資も受けて「特定投資業務」を創設。企業の競争力強化や地域活性化への取り組み支援を加速させている。

CASE STUDY
システムLSI産業のグローバルな発展をサポート

2015年3月に事業を開始したソシオネクスト。日本のシステムLSI産業のグローバルな発展を目指す新会社であり、数年後の株式公開も目指している。ソシオネクストは、富士通、パナソニック両グループが培った世界トップクラスの技術、人材、知的財産、顧客基盤などの経営資源を集結した、日本随一のシステムLSI事業会社としてスタート。映像・イメージング、光ネットワークなどを核に、成長が期待できる先端テクノロジー分野や医療・エネルギー分野などにも重点的に取り組んでいる。
DBJは同社の設立に際して「競争力強化ファンド」を活用して富士通、パナソニックとともに出資を行った。システムLSI分野における新たな取り組みに対し、リスクマネーを提供することで同分野における日本の競争力強化を支援していく狙いからである。今後もDBJはソシオネクストの成長を後押ししていく考えである。

写真提供:㈱ソシオネクスト

「強い日本経済」を復活させるには海外の成長を取り込むことが重要である。
DBJの海外業務は縦横かつ多様に広がっている。

日本企業がさらなる成長を目指していくためには、世界マーケットを取り込んでいくことが欠かせない。それは金融機関にとっても同様である。DBJは、2008年10月の株式会社化以降、海外業務への取り組みを積極的に進めている。DBJのグローバル業務は日本企業の海外進出支援だけではなく、海外企業の成長支援を通じた日本国内のマーケット醸成や日本への利益還元まで包含している。これまで培った産業金融のノウハウを活かし、扱う領域も欧米における社会インフラ整備からアジアなどにおけるエネルギー関連プロジェクトまで幅広く、海外向け投融資の対象国はすでに40ヵ国以上(2015年3月末)に及んでいる。
ジャパンストーリー(=日本のために)も意識したDBJの挑戦は、海外への事業展開だけでは完結しない。世界の金融機関と競いながら蓄積した経験や知識を国内の地域金融機関に還元していきたいと、私たちは考えている。世界と地域金融機関を結ぶゲートウェイとなることで、地域金融機関の世界進出をもサポートし、わが国の金融力の強化を先導していく。これもDBJならではの使命なのである。

CASE STUDY
世界大手の航空機リース会社へのシンジケート・ローン

世界の航空機市場は年間10数兆円程度のデリバリーが見込まれる巨大市場であり、今後さらなる成長が期待されている。米国カリフォルニア州に本社を置くAviation Capital Group Corp.(ACG)は、約90社の航空会社と取引する世界大手の航空機リース会社であり、資金調達の多様化の一環として日本の金融市場へのアクセスを希望していた。DBJはこうしたニーズに対し、BNP Paribas銀行東京支店(BNPP)と共同で、2014年6月に引き続き、地域金融機関など21機関が参加する日本円建てシンジケート・ローンを組成した。
グローバルな市場と日本の金融市場を結びつけることもDBJに課せられた役割であり、BNPPとともに航空機ファイナンスセミナーを開催するなど、国内金融機関の航空機ファイナンスに対する理解を深める取り組みを数年にわたり行ってきた。ACGのニーズとクロスボーダー融資業務の拡大を企図する地域金融機関などのニーズをつなぐファイナンスとなり、今後も航空機ファイナンスにおける一層の市場活性化が期待されている。

写真提供:Aviation Capital Group Corp.

国民医療費の膨張や医療制度改革、
老朽化した医療・福祉施設の建て替えなど、
DBJはヘルスケア分野の課題解決に邁進している。

少子高齢化とともに増大する医療費や介護費。持続可能で安定的な医療に向けてクローズアップされる制度改革。一方、それを支える医療機関に目を向けると、増加する高齢者に対応する病棟の新設や老朽化した施設の建て替え、高額だが最新の医療機器の導入など、多額の資金が必要な状況にある。
DBJは日本のヘルスケアの「質」を維持・向上させることをミッションに、その解決に資する取り組みを進めている。地域の状況に即した医療体制の構築を図るために、医療・福祉施設への融資をはじめ、2012年には医療機能の高度化への対応、環境配慮、防災及び事業継続対策に優れる病院に向けた「DBJビジョナリーホスピタル」制度も創設。良質な医療サービスの提供に努める地域の医療機関に対して、独自の価値基準で評価し支援していくことを推進している。また、ヘルスケアファンドを通じたリスクマネーの供給など幅広いファイナンス手法の提供にも取り組んでいる。

CASE STUDY
学研運営のサ高住に向けてココファンドを組成

比較的まとまった入居資金が必要な有料老人ホームなどに比べ、一般的な賃貸住宅と同程度の資金で、自立もしくは要支援・要介護の60歳以上の人が入居できるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)。DBJは学研グループが運営するサ高住を、環境性能を有する良質な不動産として長期・安定的な保有を目的とした私募ファンド「ココファンド」を組成。2015年5月、学研グループが運営する大阪市のサ高住2物件に投資し、不動産流動化を実施した。
高齢者施設や住宅の整備促進は、いまや社会的な要請である。DBJは信頼できるビジネスモデルにもとづく良質な高齢者住宅の整備を図る観点からリスクマネーを提供。2016年10月末現在、登録されているサ高住は約20万8,000戸だが、政府は2021年までに60万戸を整備する目標を掲げている。DBJは、今後も優良な高齢者施設・住宅の整備を積極的に支援する方針である。

写真提供:㈱学研ココファン

地球環境問題の解決への取り組みは、DBJの大きな使命の一つでもある。
環境に配慮した投融資により、持続可能な社会の実現に寄与している。

地球環境問題は多様かつ深刻な危機をもたらしつつあり、永続的な課題である。これらの問題に対処するには環境に細心の注意を払った事業運営が企業に求められ、金融機関においても例外ではない。
DBJは、1960年代後半の公害対策を皮切りに、40年以上にわたって環境対策事業に3兆円以上の投融資を実施してきた。2004年には、「DBJ環境格付融資」の運用を開始。これはDBJが開発したスクリーニングシステムにより、企業の環境経営度を評点化し、その評価に応じて融資条件を設定する「環境格付」の手法を用いた、世界初の融資メニューである。
この「DBJ環境格付融資」による融資実績は、すでに9,540億円(2016年3月末)に達している。また、パイオニアとして地方銀行が独自で作成する「環境格付」の評価ツール開発の支援など、わが国の環境金融の一層の普及・向上も図っている。

CASE STUDY
参天製薬への「環境格付」融資

創業120余年の歴史を持つ、医療用眼科薬の分野で国内トップかつ世界有数のメーカー、参天製薬。眼科領域を中心とする専門分野に特化したグローバルな事業活動を通じて、優れた製品・サービスを世界各国に提供することにより、世界の「患者さん」のQOL(Quality of Life)向上への貢献を目指している。
DBJは同社に対し、「DBJ環境格付」に基づく融資を実施。格付評価では①企業活動のなかで重視すべき社会課題を社内外のステークホルダーと対話を進めながら各領域で具体的に取り組むべき事項を検討している点②製品の品質管理について法令等の水準を超える基準を設定し、製品品質に大きな影響を与える水資源について森林保護活動による水系保全を積極的に実施している点③工程管理により不良品率を低下させるなど廃棄物の削減を進めたことに加え廃棄物の最終処分率は業界最高水準を上回る数値目標を設定している点を高く評価し、最高ランクの格付により融資を実施した。

写真提供:参天製薬㈱

大都市圏と地方圏の経済的格差が問題となる中にあっても、
地域活性化に挑戦し成功している地域も出はじめている。

大都市圏と地方圏との経済的格差が指摘されるようになって久しい。地方圏の中でも県庁所在地などの拠点都市と中山間地域などとの格差も拡大するなど、地域間格差は重層的で複雑化してきている。人口の自然減、少子高齢化の進展を背景に、地域の基幹産業の衰退、それに伴う人口流出、コミュニティの喪失などが大きな理由である。だが一方では、地域ごとの強みや優位性、潜在力を活かし、地域活性化を図る動きがあることを見逃すべきではないだろう。
DBJは地域活性化を情報面・資金面から後押しする取り組みを積極的に進めている。地域に対するアドバイザリーや提言など情報面のサポートを充実させるとともに、地域の産業構造を踏まえ特色ある分野や事業にスポットをあて、資金面のサポートも行っている。このほか各地で地域金融機関と連携してファンドを組成するなど、地域経済の持続的な発展に取り組んでいる。

CASE STUDY
株式会社ビースマイルプロジェクト

DBJは、2016年3月、鹿児島に本社を置く錦江ファームによって設立された株式会社ビースマイルプロジェクト(BSP)に対し、農林漁業成長産業化支援機構のほか、事業会社5社、金融機関4社とともに出資を行った。BSPの事業目的はエサづくりから繁殖、肥育まで一貫生産された黒毛和牛などを提供する外食産業を拡大し、南九州産品の付加価値向上を図るとともに、農畜産業の大規模な6次産業化により競争力を強化することにある。
本件は、今後BSPが実施する農畜産業の活性化策をサポートすべく、共同出資者でもある食品関連企業や地域金融機関と協調して成長資金を供給するもので、DBJは、「特定投資業務」を活用したリスクマネーの供給を行うとともに、ネットワーク力や情報力を活かすことで、BSPが目指す南九州の農畜産業の6次産業化を積極的に支援していく。

DBJはリスクマネーの供給、
シンジケート・ローンやアセットマネジメントなどを通じて、
金融資本市場を活性化させる取り組みを進めている。

2015年6月に「金融・資本市場活性化有識者会合」における提言が公表された。東京市場をアジアトップクラスの国際金融センターに発展させることが確認されるとともに、「成長マネーの供給強化・金融仲介機能の強化」をはじめ、年金運用のあり方の見直しなど広範な領域で貴重な指摘がなされた。
DBJは、リスクマネーの提供をはじめ良質な運用機会をアレンジし、シンジケート・ローンやアセットマネジメントなどを通じて、地域金融機関や年金積立金管理運用行政法人(GPIF)などと資金運用機会を分かち合い、新たな資金循環を創造することで金融資本市場を活性化する取り組みを進め、日本経済の発展に貢献していく考えである。

CASE STUDY
GPIFなどとの共同投資協定

インフラ投資は、電力発送電、ガスパイプライン、鉄道などで長期にわたり安定した利用料収入などを見込む投資であり、株式市場などの価格変動の影響を受けにくいことから、海外の年金基金などでは有力な運用方法となっている。
GPIFは、そうした状況を踏まえインフラ投資について豊富な実績を持つDBJ及びカナダ・オンタリオ州公務員年金基金(OMERS)と共同で、先進国の電力発送電、ガスパイプライン、鉄道などのインフラに投資する共同投資協定を締結し、投資信託を通じて、OMERSが発掘するインフラに投資することとした。DBJとGPIFを合わせた投資規模は、5年程度をかけて最大総額約28億米ドル(約2,900億円)を見込んでいる。
今回の共同投資により、GPIFにおける投資能力の向上やリスク管理の高度化も期待され、DBJは、今後もGPIFの年金運用高度化に向けた取り組みを積極的に支援していく。