(株)カネカに対し、環境格付に基づく融資を実施

1.日本政策投資銀行は、平成20年9月9日、「環境配慮型経営促進事業」の対象として、(株)カネカ(本社:大阪府大阪市)を選定し、融資を実行しました。

2.環境配慮型経営促進事業とは、当行が開発したスクリーニングシステム(格付システム)により企業の環境経営度を評点化、優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。

3.今回の評価対象となった株式会社カネカは、化成品・機能性樹脂・発泡樹脂製品・食品・ライフサイエンス・エレクトロニクス・合成繊維等、幅広く事業展開しており、衣食住医にわたってスペシャリティの高い製品を提供しています。
今回の評価では、(1)VOC排出自主削減計画の下で化学物質排出量を大幅に削減し、全工場で2年連続ゼロエミッションを達成した点、(2)建造物の断熱材等に用いられる押出発泡スチレンボード「カネライトフォーム」や塩ビ製「ケーブル防護管」廃材のリサイクルに代表される使用済み製品有効活用への取り組み、(3)省エネ性向上や建築物の長寿命化に資する樹脂サッシ製品など環境配慮型製品を通じた民生部門CO2の削減、などの点を評価しました。結果、同社は「環境への配慮に関する取り組みが特に先進的」という最高ランクの格付を取得しました。

4.本融資による資金は主に、アモルファスシリコンと結晶シリコンの積層により資源使用量を抑え、太陽光エネルギーから電気への変換効率を大幅に向上させたハイブリット型太陽電池の研究開発費用等に充てられます。

5.当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価を実施しています。地球温暖化対策が世界共通の懸案事項になっている現状を踏まえ、今後も環境配慮型経営の適切な評価を通じて地球温暖化の防止に努めて参ります。
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