シンコーケミカル・ターミナル(株)に対し、「防災格付」融資を実施~災害時の事業継続体制を構築、前回評価からランクアップし最高ランク評価~

1.日本政策投資銀行(総裁:室伏稔)は、平成18年度に創設された「防災対応促進事業」(防災格付)融資制度に基づき、シンコーケミカル・ターミナル(株)(本社:兵庫県神戸市東灘区)に最優遇金利による融資を実行しました。同社への防災格付融資は、今回2回目となりますが、事業継続計画(BCP)を策定する等の先進的な取り組みの実施により、前回評価からランクアップし、最高ランクの防災対応評価となりました。


2.「防災対応促進事業」融資制度は「防災格付」の手法を導入した新しい制度であり、中央防災会議「『防災に対する企業の取り組み』自己評価項目表」をベースにした独自の評価システムを構築し、防災に対する取り組みの優れた 企業を評価・選定した上で、当該企業の防災対策事業に優遇金利で融資を行うものです。


3.シンコーケミカル・ターミナル(株)は、災害に備えた財務手当ての一環として、企業費用・利益総合保険に加入することにより、物的損害はもとより操業資金の手当てについても準備を行っています。今回は、防災格付融資を受けた企業が(株)損害保険ジャパン(社長:佐藤正敏)による企業費用・利益総合保険の保険料割引制度(「特に優れている【政策金利Ⅱ】」企業に該当し、10%割引適用)も併せて利用する初の案件となりました。


4.シンコーケミカル・ターミナル(株)は、昭和42年設立のタンク基地の運営会社で、神戸を中心に化学品貯蔵タンクの賃貸、保管等の事業を行っています。今回の評価において同社は、事業継続計画(BCP)*を策定し、災害時の重要業務の継続、目標復旧時間の策定等を実施、産業施設として安全経営を強化するための防災対応について、高いレベルでの取り組みがなされているという結果を得ました。同社では、平成7年の阪神・淡路大震災での被災経験を踏まえ、危険物の漏洩対策等二次災害防止について初期動作等を定めた規程類を整備するなど、全社で高い防災意識が保たれています。平成19年4月に策定した事業継続計画(BCP)をベースとしながら、①法令の期限よりも前倒ししたタンクの耐震化対策、②情報系のバックアップ体制整備(設備、データの二重化等)、③利益保険への加入、④市民救命士の資格取得を含めた教育・訓練の実施、⑤タンクポンプのかさ上げ等の水害対策等の具体策に積極的に取り組んでいることなどが高く評価されました。
(*)日本政策投資銀行の大企業を対象とした調査では、事業継続計画を策定済みの 企業は全産業で9.0%にとどまり、倉庫業を含む運輸業では8.0%とこれを下回っています。


5.今般の融資は、シンコーケミカル・ターミナル(株)の名古屋、博多各事業所における貯蔵タンク及び危険物倉庫の耐震化等の防災対応事業を対象に実施するものです。同社では事業継続計画(BCP)の定期的な見直しも計画しており、今回融資対象事業による施設の安全確保と併せて、一層体系的な防災体制を 実現することが期待されます。


6.日本政策投資銀行は、今後も幅広い業種・地域の企業への「防災対応促進事業」融資制度の活用を通じ、企業の防災への取り組みを積極的に支援・推進して参ります。



以上

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