井関農機(株)に対し、環境格付に基づく融資を実施

1.日本政策投資銀行は、平成20年9月30日、「環境配慮型経営促進事業」の対象として、井関農機株式会社(本社:愛媛県松山市)を選定し、融資を実行しました。

2. 環境配慮型経営促進事業とは、当行が開発したスクリーニングシステム(格付システム)により企業の環境経営度を評点化、優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。

3. 井関農機株式会社は、田植機で有名な「さなえ」シリーズや稲に適した日本独自のコンバイン(自脱型)を最初に開発するなど高い技術力を誇る農業機械メーカーの老舗です(創業:大正15年)。同社は、農業と農業機械を基軸とした経営をコンセプトに「エコビジョン:グリーンサークル」を掲げており、平成18年3月にはDBJ環境格付で「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」という最高ランクの格付を取得しています。

4.今回の評価では、販売会社を含む国内グループのほぼ全社に環境マネジメントシステムを構築するなど広範囲に及ぶ環境経営をハイレベルで継続している点を評価致しました。なかでも、2007年度から導入した廃製品リサイクルシステムは、販売会社における営業活動で発生する廃製品だけでなく、同社が排出者責任を負わない産業廃棄物についても同時回収・有効利用するシステムとなっており、拡大生産者責任のさらに上を行く取り組みとして高く評価致しました。また、環境パフォーマンスでは、ゼロエミッションに向けた廃棄物削減やVOCなど化学物質の排出抑制などの取り組みも注目致しました。結果、同社は過年度に引き続き「環境への配慮に関する取り組みが特に先進的」という最高ランクの格付を取得しました。

5.当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価を実施しています。業種構成も、本件のような製造業を始め、小売業やリース業などの非製造業へも広がりをみせています。今後も、多様な業種特性を踏まえて、「環境配慮型経営」の促進を進めて参ります。

以上

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