『カバードボンドの発行に向けた検討報告(「カバード・ボンド研究会 とりまとめ」フォローアップ)』を発行

 株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:橋本徹、以下「DBJ」という。)は、平成23年7月に、カバード・ボンド研究会(事務局:DBJ、以下「研究会」という。)が公表した報告書のフォローアップとして、『カバードボンドの発行に向けた検討報告(「カバード・ボンド研究会 とりまとめ」フォローアップ)』(以下「本報告書」という。)を発行しました。

 カバードボンドとは、欧州を中心に発行されている債権担保付き社債の一種であり、発行体と担保の双方にリコース(=ダブルリコース)が可能なことから、投資家からは安定的な金融商品と認識され、金融機関の長期資金調達等に活用されている債券です。

 本報告書では、「カバード・ボンド研究会 とりまとめ」のフォローアップとして、足下の海外の動向、国内実務関係者の意見などを参考に、具体的なスキーム案に基づき、日本版カバードボンドの発行スキームや法律のあり方についてフィージビリティを含めた検討を行っています。

 本報告書の要旨は以下の通りです。


 (1)豪州、韓国、シンガポールなどアジア太平洋各国でも、危機時における安定調達手段確保、金融センターとしての地位確立等の観点などから法制化が進むなど、最近でも世界的にカバードボンド導入の動きは広がっている。
 (2)国内実務関係者からは、円建カバードボンドは足下の資金余剰の状況を踏まえると喫緊に必要なものではないが、外貨建カバードボンドについては、研究会開催時と比べ外貨調達手段の一つとしてニーズは強まっており、カバードボンドについては、海外での検討が相次いでいる中で、国内金融機関や金融市場の競争力強化の一環として検討していく必要があるとの認識が示されている。
 (3)法制化に向けては、倒産法制の例外的措置や、ネガティブプレッジの問題等については、法律・スキームのあり方につき実務面を勘案しつつ、引き続き議論を深める必要がある。
 (4)カバードボンド発行当初のスプレッドにはプレミアムが要求される可能性があるが、その場合でも市場へ定着するにつれてプレミアムは徐々に剥落し、シニア債より低いスプレッド水準へ落ち着くことも期待される。

 本レポートの詳細は、DBJウェブサイト「その他レポート」(https://www.dbj.jp/investigate/list/?year=2012&cat=report)に掲載しておりますので、ご参照ください。

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