第4回社会的価値・資本創出型M&Aアワード-社会的に優れたM&Aの取り組み(ソーシャルM&A)を表彰-

 株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:柳正憲、以下「DBJ」という。)は、M&Aにおいて社会的価値・資本を創出する優れた取り組みを表彰するアワードの第4回表彰式を実施し、東京ガス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:内田高史、以下「東京ガス」という。)に対し「大賞」を、株式会社中電工(本社:広島県広島市、代表取締役社長:小畑博文、以下「中電工」という。)および戸田工業株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:寳來茂、以下「戸田工業」という。)に対し「特別賞」をそれぞれ授与しました。

 当アワードは、「DBJ環境格付」融資など(注)により培った手法を活用して、DBJが独自に開発した評価システムにより、社会的価値・資本の創出に優れたM&Aの取り組みを選定し表彰するものです。この表彰により、経済的価値の追求に重きが置かれることの多いM&Aが、資本とビジネスの構成を変革することで社会的な価値を創出する効果を認識するとともに、さらに社会的により優れたM&A(ソーシャルM&A)の普及促進を目指しています。

 わが国最大の都市ガス事業者である東京ガスについては、東南アジアにおいて現地ガス供給事業者(ベトナムのPetrovietnam Low Pressure Gas Distribution社およびインドネシアのPanji Raya Alamindo社)に対して資本参加を行っており、東南アジアでの天然ガス普及促進に加え、省エネ設備やコージェネレーションシステムの導入などを通じて、環境負荷低減に貢献することが期待されます。また、東京ガスが長年培ってきた保安技術を活用することで安全面・防災面での体制強化に繋がることや、工業団地等へのエネルギーインフラ整備を通じて現地経済の発展にも大きく貢献しうることから、社会的な影響力および波及効果の大きさを高く評価し、「大賞」に認定しました。

 電気・空調・給排水などの総合設備エンジニアリング事業者である中電工については、シンガポールの電気工事会社RYB Engineering社を子会社化しており、東南アジアで新たに獲得した事業基盤をもとに、環境・衛生・防災など各分野の事業を東南アジアで展開していくことにより、現地の良質な社会インフラ整備に貢献することが期待されるほか、中電工としては初めての海外M&Aであり、海外企業とのパートナーシップを通じてグループ経営のダイバーシティにも繋がる取り組みであることも高く評価し、「特別賞」に認定しました。

 電子部品材料、リチウムイオン電池材料などの化学素材メーカーである戸田工業については、日本および米国における電気自動車向けリチウムイオン電池用正極材料事業を、ドイツのBASF SEを中心とするグループ(以下「BASFグループ」という。)と合弁化する取り組みを実施しており、BASFグループの調達力や販売網などを活用して生産能力の拡大を実現していることに加え、合弁事業の主力生産拠点である小野田事業所(山口県山陽小野田市)などにおいて、新たな雇用や地域経済への波及効果を創出していることなども高く評価し、「特別賞」に認定しました。

 DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします~金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します~」に基づき、社会的に優れたM&Aの普及促進に向けたお客様の取り組みを積極的に支援してまいります。

(注)「DBJ環境格付」「DBJ BCM格付」および「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」融資は、DBJが開発したスクリーニングシステム(格付システム)により企業の環境経営度、防災・事業継続への取り組みおよび従業員への健康配慮の取り組みが優れた企業を評価・選定し、その評価に応じて融資条件を設定するという世界で初めての融資メニューです。

【お問い合わせ先】
   企業戦略部 電話番号 03-3244-1724
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