日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成13年8月20日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行が昭文堂(株)に対する事業再生融資を実施
中堅企業における事業再生のモデルに

<概要>

事業者・借入人 :昭文堂(株)(本社:東京都中央区、資本金40百万円、従業員79名)
事業内容 :商業印刷
融資実行日 :平成13年8月1日
融資金額 :30百万円
  1. 日本政策投資銀行は、昭文堂(株)(本社:東京都中央区、佐藤文昭社長、資本金40百万円)に対して、事業再生融資を行いました。これは中堅企業に対する初の事例となります。

    当社は、平成13年5月1日に民事再生手続申立を行っており、現在、再建に向けて、再生計画を策定中です。本件は、再生計画が確定するまでの間、事業価値を保全するための、いわゆるDIPファイナンスにあたります。

  2. 当社は、平成11年に新設したつくば工場の過大投資と過剰債務による資金繰りの悪化から民事再生の申し立てをおこなったもので、現在東京地方裁判所にて同手続きが進められています(監督委員:山本卓也弁護士、申立代理人阿部博弁護士)。民事再生申立以降、当社は、今後予定されている事業再生計画認可までの資金確保が急務となっています。
  3. 現段階では、再生計画(案)は未提出であり、当社再建の見通しは未だ流動的な面があるものの、1:つくば工場は新鋭印刷設備を有しており相応の価値が認められること、2:当社再建に意欲を持つスポンサーが存在していること、3:既存の取引先や債権者も当社再建に理解を示していること、等により事業価値保全を図る意義があるため、本件融資を行ったものです。取引先との取引継続に伴って発生する売掛債権(手形)を担保としています。
  4. 民事再生法申請企業が1000件を超える中、中堅企業における民事再生手続きにおいては、経営者が続投し、減資も行われないケースが多いが、本件においては、現経営者は一旦退陣し、株式も100%減資されることで経営及び株主責任を明確にする方針であり、再生計画の下で新スポンサーによる出資と経営者の派遣が行われます。なお、現社長は退任後、営業部門の責任者として当社再建に尽力する予定です。
  5. 本件は、経営及び株主責任を明確にしつつ、新スポンサーによる経営管理能力と当社の既存事業価値を組み合わせて事業再生を図るものであり、中堅企業の事業再生の一つのモデルケースと考えられます。今後、再生計画が固まる段階で、民間金融機関の参加も期待されています。
【お問い合せ先】
日本政策投資銀行 プロジェクトファイナンス部
TEL03-3244-1632