日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成15年2月17日
  • 日本政策投資銀行

(株)福岡クリーンエナジー向けプロジェクトファイナンス
ディール・オブ・ザ・イヤー受賞

2002年3月に組成された、(株)福岡クリーンエナジーの廃棄物処理事業へのプロジェクトファイナンスが、英国Project Finance 誌より2002年のアジア太平洋地区自治体ファイナンス部門のディール・オブ・ザ・イヤー(Asia Pacific Deal of the Year for Japanese Municipal Finance)を受賞しました。

同プロジェクトファイナンスは、日本政策投資銀行とみずほコーポレート銀行を共同主幹事銀行とし、福岡銀行(幹事銀行)、その他民間銀行5行が加わった銀行団8行によるものです。今回の受賞は、同プロジェクトファイナンスが日本における最大の廃棄物発電プロジェクト向けのものであること(※1)、及び、日本におけるPPP(※2)の発展のランドマークとなる案件であることが国際的に高く評価されたものです。

Project Finance 誌は、英国ユーロマネー社が刊行するプロジェクトファイナンスに関する国際的な専門誌で、毎年この時期にプロジェクトファイナンスの各分野での注目すべき案件を選定し表彰しております。Asia Pacific Deal of the Year for Japanese Municipal Finance は、本年から新設された賞で、PFIの本格的な立ち上がり等の近年の日本における当該分野での進展への注目が、背景になっているものと考えられます。

本プロジェクトは、福岡市及び九州電力株式会社(以下「九州電力」)の共同出資により平成12年10月に設立された株式会社福岡クリーンエナジーが、福岡市の廃棄物処理施設「新東部工場」の建設・運営をPFI的手法により実施するもので、今後25年間に亘り、福岡市で発生する一般廃棄物を受け入れ中間処理を行うとともに、その余熱を利用して発電を行い九州電力に電力の販売を行うものです。

資金調達に際しては、プロジェクト総額が大きいため、事業関係者間のリスク分担を明確にし、長期にわたる事業運営を安定化すべく、プロジェクトファイナンス方式(※3)を採用しており、福岡市からのごみ処理委託料及び九州電力からの売電料金を原資として返済を受けるスキームで、福岡市及び九州電力と銀行団との間で締結された直接契約を含む各種契約により関係者間の役割分担を明確にし、事業の円滑な遂行を図っています。

このプロジェクトは、我が国の廃棄物処理事業プロジェクトファイナンスとして過去最大規模であるとともに、自治体と電力会社が共同事業者となる全国初の廃棄物処理・発電プロジェクトであり、一般廃棄物の適正処理及びサーマルリサイクルの推進と民間資金の活用による財政負担の平準化等を目的として、PFI的手法により民間の資金力、技術的能力及び経営能力を活用した効率的かつ効果的な運営が期待されています。

環境への負荷の軽減や資源・エネルギーの循環を考慮した廃棄物処理の必要性の高まりから、日本のごみ発電は新エネルギーとして期待されており、このプロジェクトも、廃棄物処理施設整備費(民間資金活用型社会資本整備事業)国庫補助金や日本政策投資銀行の融資制度等の公的支援を活用して進められています。

わが国におけるPFI及び広義のPPP市場は、金額・規模・案件内容の多様化等の面で急速に拡大中です。今回の受賞に見られるように海外からの注目度も増してきており、海外の金融機関の参入意欲も高まりつつあります。日本政策投資銀行とみずほコーポレート銀行は、引き続き、この分野での積極的な案件取組を通じて、市場のニーズに応えていく所存です。

  1. 1. プロジェクトファイナンス総額は263億円です。
  2. 2. PPPとはPublic & Private Partnershipの略。英国をはじめ世界各国で進められている政策手法で、公共と民間のパートナーシップで社会資本の整備を進めようとするもの。PFIもPPPのなかに含まれます。
  3. 3. プロジェクトファイナンス方式とは、事業性を見極め、プロジェクト会社が生み出すキャッシュフローを返済原資とし、出資者の保証を前提としない有担保の融資方式です。
【問い合わせ先】
みずほコーポレート銀行   管理部(広報担当)   TEL 03-5252-6574
日本政策投資銀行   プロジェクトファイナンス部   TEL 03-3244-1613