日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成16年8月16日
  • 日本政策投資銀行

日本政策投資銀行、地方ITベンチャー企業の成長戦略をM&Aで支援
-荘内銀行と連携して東北地方のIT企業も再建-

  1. 日本政策投資銀行は、この度、ITベンチャー企業のアソシエント・テクノロジー株式会社(本社大分県)に対し、その子会社アソシエント・イースト株式会社(本社宮城県)による東洋システムエイジ株式会社(本社宮城県)の営業権全部の譲り受けを支援しました。
  2. アソシエント・テクノロジーは、独自の人材教育により地方のエンジニアを養成し、地域の雇用創出に貢献すると共に、首都圏のIT市場の開拓をビジネスモデルとする新興企業です。本件は、同社の新たな事業領域への拡大に加え、独自の地方展開をビジネスモデルとしている同社の東北地方における初の拠点を獲得する意義を持ちます。

    他方、東洋システムエイジは、東北地方では「組込み系技術」で定評があり業歴は長いものの、事業の大きな伸長や新たな展開は見られませんでした。同社が得意とする「組込み系技術」はIT業界では今後ますます需要拡大、技術者不足が見こまれる分野であり、アソシエント・テクノロジーによる組込み系技術の一層の強化や全国規模の顧客基盤を生かした事業展開も期待できます。

    アソシエント・テクノロジーは、東北地域の拠点として子会社アソシエント・イーストを設立し東洋システムエイジからの営業を譲り受けましたが、同社には東洋システムエイジの経営者も出資しています。

  3. 当行は、地域経済におけるIT産業の育成・活性化がわが国経済の喫緊の課題と考えております。本件は、アソシエント・テクノロジーのM&Aアドバイザーとして、成長するIT産業において地方市場に着目したベンチャー企業の成長戦略を支援するとともに、事業の大きな伸長が見られない地方IT企業の再編のモデルケースになるものと考えサポートしました。

    また、当行は、地方銀行と提携して地方企業のM&A案件も支援しており、本件は、株式会社荘内銀行の子会社株式会社荘銀ベンチャーキャピタルと連携して資本提携先の選定を始めM&Aに関する各種サポートを行いました。

  4. 日本政策投資銀行は、今後も地方銀行との協力関係を築きながら、地方に偏在するM&A情報を流通させるともに、業界再編や地域経済の活性化等政策的意義の高いM&A案件について、アドバイザーとしてサポートしていきたいと考えています。

<参考>

両社概要

案件概要

案件成立の背景および意義(概念図)