日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年1月18日
  • 日本政策投資銀行

国内眼鏡業界最大手、株式会社シャルマン及び株式会社ホリカワ
(福井県鯖江市)に対し、地域再生推進に資する融資を実行
~福井県「ふくい産力強化計画」に合致する事業を対象~

  1. 日本政策投資銀行(総裁:小村武)は、このたび株式会社シャルマン(会長兼社長:堀川馨、本社:福井県鯖江市)及び株式会社ホリカワ(社長:岩堀一夫、本社:福井県鯖江市)が行う新製品の開発事業及び製造ラインの再編、効率化に係る設備投資に対し、福井県の「ふくい産力強化計画」に基づく事業として融資を実行しました。
  2. 地域経済の活性化と地域雇用機会の創出その他地域の活力の再生を図るため、平成15年10月、国は地域再生本部を設置、地方公共団体が策定する地域再生計画を認定し、これに伴いさまざまな支援メニューを講じており、日本政策投資銀行の融資もその中に含まれています。平成16年度以降、これまでに全国計840件の計画が認定を受けており、このうち福井県の「ふくい産力強化計画」は、平成16年12月8日に認定されたものです。
  3. 福井県は、平成16年5月、同県のモノづくり企業の競争力を強化するため、「産力戦略本部(本部長:知事)」を設置、産学官の共同研究や最先端技術開発を推進し、先端分野でのモノづくり強化、産力強化を推進しています。同県は、「産力戦略本部」を中心とした産力強化のさらなる推進を図るため、上記の地域再生計画を策定したものです。同計画には、日本政策投資銀行の融資制度活用によるモノづくり企業(繊維、眼鏡、機械など)への支援が盛り込まれています。本件は同計画に合致する事業に対する融資として3件目、地域再生計画に基づく事業に対する融資としては全国で6件目となります。
  4. 株式会社シャルマン及び株式会社ホリカワは、眼鏡フレーム・サングラスの企画・開発・生産・販売まで一貫して行う国内最大手の眼鏡製造販売グループ「シャルマン・グループ」を構成する企業です。製造部門2社(2ヶ国)と世界の主要16ヶ国に自社の販売網を有し、その他代理店を通じその製品は世界92ヶ国以上(2005年実績)に販売され国内では唯一のグローバルな展開を行っています。

    両社は、国内外でのニーズの研究に基づき、その製品化を行うためのニッケル・チタン合金(形状記憶合金)製眼鏡の加工技術に代表されるように、高い技術力・製品開発力を有しています。現在も加工技術にとどまらず大学の研究機関との連携も行いつつ、新しい素材を独自に開発し、機能面で先進的な製品の開発に積極的に取り組んでいます。株式会社シャルマンは、これら技術力を背景に機能性をデザイン化した製品を自社ブランドとして販売していますが、独自のブランド製品をグローバルに展開する事業者は国内でもわずかです。また、製造部門を担う株式会社ホリカワにおいては、眼鏡業界において「トヨタ生産方式」を本格的に導入し、これまでの4年間、生産工程の改革に取り組み、「流れ化」によるリードタイムの短縮化に成功している唯一の生産工場です。このことによる小売流通サイドの経営課題である在庫問題の解決につながるように、より一層の一貫生産ラインの整備・再編を進めています。

  5. 本件は、上記2社が進める新製品開発及び生産ラインの高効率化に必要な事業資金を融資するものです。「ふくい産力強化計画」では、技術指向型の地場産業の担い手を支援することを通じた産力強化を目指しており、本件融資対象事業の実施を通じて、世界的な眼鏡産地である同県の地域再生・経済の振興が進展することが期待されます。
  6. 日本政策投資銀行では、今後とも、地域再生計画に基づき地域再生の推進に資する事業を支援して参る所存です。