- News Release
- 平成18年1月23日
新日本石油グループに対し、「環境配慮型経営促進事業」融資を実行
(融資先:新日本石油精製株式会社)
- 日本政策投資銀行は、このたび「環境配慮型経営促進事業」の対象として、新日本石油グループを選定し、同グループの新日本石油精製株式会社に対して融資を実行しました。
- 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。
- 今回の評価対象となった新日本石油グループは、石油を中心に各種エネルギー供給を担う総合エネルギー企業で、斯業の最大手です。
同グループでは、環境配慮製品・サービスの開発・販売(世界に先駆けたサルファーフリーガソリン・軽油販売、LPG 仕様家庭用燃料電池の商品化等)を展開するとともに、京都メカニズムの活用等(CDMの推進、日本温暖化ガス削減基金への参画等)を通じた地球温暖化防止対策に積極的に取り組んでおり、これらの点が環境配慮型経営の実践例として高く評価されました。
- 日本政策投資銀行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価を実施しており、53件(本件を含む)の融資(保証を含む)を実行しています。業種構成も、本件に代表される素材型の製造業を始め、小売業やリース業など非製造業へも一層の広がりが出てきており、地域に事業基盤をおく企業への適用事例も増加しています。当行は今後とも、様々な企業の環境に配慮した取組を支援して参ります。
(参考)制度の仕組み
(1)特色
- ① 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
- ② 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
- ③ 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、 契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には 特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
- ④ 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に 127 の設問を設定しており、通常項目が 103 、加点項目が 24 の構成です。このうち、加点項目は際立って優れた企業を念頭に設定された設問です。このように、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。
(2)評価の方法
- ① 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
- ② 配点は、 250 点満点ですが、このうち通常項目が 200 点、加点項目が 50 点満点です。
- ③ この 250 点満点に対し、対象として適格と認定するラインは 120 点以上(中堅企業等で 110 点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で 40 点以上(中堅企業等で 35 点以上)の得点を条件としています。
- ④ 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 | 得点 | 適用金利等 |
---|---|---|
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 | 156点以上 | 政策金利III |
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 | 140~155点 | 政策金利II |
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 | 120~139点 (110~139点) |
政策金利I |
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 | 120点未満 (110点未満) |
対象外 |
注) ( )内は中堅企業等
以上