日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年2月7日
  • 日本政策投資銀行

森田化学工業(株)のフッ素リサイクル事業企業化資金に融資

  1. 日本政策投資銀行は、このたび森田化学工業(株)(本社:大阪市中央区、森田康夫社長)に対し、同社堺工場で行うフッ素リサイクル事業の企業化資金として融資を実行しました。
  2. 森田化学工業(株)は大正6年創業のフッ素化合物専業メーカーであり、以降、半導体フッ化水素酸やリチウムイオン電池の電解質原材料など、広範な産業分野にわたる各種フッ素化合物の開発・生産を行ってまいりました。
  3. フッ素化合物の主原料はフッ化カルシウム(蛍石)ですが、輸入国である中国国内での蛍石需要が増加し採掘量が急増する一方、埋蔵量の限界から近い将来蛍石・フッ化水素酸の輸出制限、更には枯渇する懸念があります。またフロンの回収・破壊時や半導体製造工程で出されるフッ素含有廃液は、カルシウムで固定化された上、特定産業廃棄物として埋立処理されているのが現状ですが、その埋立処分場も近い将来満杯になることが危惧され、フロンガスメーカーを始めとするフッ素取扱いメーカーは対応に迫られております。
  4. 同社は、フッ素化合物総合メーカーとして、かかる状況を見通し、フッ素リサイクル化の研究・開発を先進的に進めて参りました。具体的には、工場から出されるフッ素含有廃液にカルシウムを含んだ液体を反応させることにより、フッ化カルシウムへと再資源化することが可能となります。

    同技術により得られたフッ化カルシウムは、純度が高く再利用に適した品質水準を確保しております。従って、同技術による回収フッ化カルシウムは、今後困難となりつつあるフッ素原料の調達源として大いに期待できると共に、現状の廃液処理方法に代替しうる一手段として、その有意義性は高いものと思われます。

  5. 当行では、同技術の先進性、並びに環境負荷の低減を目指した取り組みに着目し、堺工場にて行われるフッ素リサイクル関連施設に対し、同事業の企業化資金として、最優遇の低利による融資を実行致しました。
  6. 当行では、引き続き中堅・中小企業の行う新技術の開発や環境負荷低減に資する取り組みに対し支援していく所存です。

以上