- News Release
- 平成18年3月22日
サッポロホールディングス(株)に対し環境格付に基づく融資を実施
食の「安全・安心」と「環境」を両立させた経営を評価
- 日本政策投資銀行は、このたびサッポロホールディングス株式会社に対し、同社における食の安全・安心にも配慮した優れた環境経営を評価し、「環境配慮型経営促進事業」に基づく融資を実行しました。
- 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化し優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の優遇金利を設定する「環境格付け」の専門手法を導入した世界初の融資制度です。
- 今回の評価対象となったサッポロホールディングス株式会社は、ビール等酒類の製造販売を行うサッポロビール株式会社などを傘下に持つグループ持株会社です。同社においては、品質管理と環境対策の統合管理を進める等高いレベルで独自の環境配慮経営を行っている点が特徴となっています。具体的には、ビール等の主原料である麦芽・ホップの100%協働契約栽培化をビール業界で世界で初めて実施する等、消費者の安全安心対策に注力しているほか、経営トップのリーダーシップにより、全工場・全部門で省エネ推進プロジェクトを強力に実施し、増産下でのCO2排出量減少、早期のゼロエミッション達成・維持等広範囲に亘って顕著な環境パフォーマンスの改善が見られていることが高く評価されます。また、上記協働契約栽培を活かしてLCA(ライフサイクルアセスメント)を取り入れるなど原料生産段階からの環境負荷削減を図り、食の「安全・安心」と「環境」への配慮を両立している点が特筆されます。
- 当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価を実施しており、既に60件(本件を含む)の融資(保証を含む)を実行しています。業種構成も、本件のような製造業のみならず小売業やリース業等の非製造業へも広がりをみせています。今後も、様々な企業が環境配慮型経営を進められるよう支援していく所存です。
(参考)制度の仕組み
(1)特色
- ①従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
- ②製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギー、リースなど)を用意しています。
- ③中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、 契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には 特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
(2)評価の方法
- ①環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
- ②配点250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
- ③対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の 3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 | 得点 | 適用金利等 |
---|---|---|
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 | 156点以上 | 政策金利III |
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 | 140~155点 | 政策金利II |
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 | 120~139点 (110~139点) |
政策金利I |
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 | 120点未満 (110点未満) |
対象外 |
注) ( )内は中堅企業等
以上