日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年4月1日
  • 日本政策投資銀行

ペンタックス株式会社に「環境配慮型経営促進事業」制度を適用

  1. 日本政策投資銀行は、このたび「環境配慮型経営促進事業」の対象として、ペンタックス(株)を選定しました。精密機械業界に対する制度適用の第1号です。
  2. 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。
  3. 今回の評価対象となったペンタックス(株)は、大正8年創業の光学機器メーカーの老舗であり、カメラ事業を中心として、医用機器や情報・通信機器関連事業等、一眼レフのパイオニアとしての当社独自の高いレンズ技術を中核として多様な事業展開を行っております。

    当社は、「地球環境との共存共栄」を環境理念として掲げている通り、原材料の調達から製造、使用及び廃棄に至る製品ライフサイクルの各段階において環境保全に配慮した事業活動を推進しており、高いレベルでバランスの取れた環境経営を展開しているという結果になりました。

    なかでもグローバルなコンプライアンス体制に象徴される強固なコーポレート・ガバナンスの整備は特筆に値し、こうした経営基盤が、サプライチェーン全体に亘る高度な環境配慮や化学物質管理の高いパフォーマンスに顕著に表れています。

    当社のような、先進的な環境配慮型経営の取り組みをおこなっている企業は、今後多くの側面でわが国の環境対策高度化に貢献することが期待されるため、当行としても積極的に支援してまいる所存です。

  4. 当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで120社余りの評価作業に着手しており、既に40社あまりの評価を完了、うち27件(本件を含む)の融資を実行しています。業種構成も、本件に代表される加工組立型の製造業を始め、小売業やリース業など非製造業へも一層の広がりをみせています。今後も、多様な業種特性を踏まえて、適切な環境配慮型経営の評価に努めて参ります。

(参考)制度の仕組み

(1)特色

  1. 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
  2. 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
  3. 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
  4. 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に127の設問を設定しており、通常項目が103、加点項目が24の構成です。このうち、加点項目は際立って優れた企業を念頭に設定された設問です。このように、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。

(2)評価の方法

  1. 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
  2. 配点は、250点満点ですが、このうち通常項目が200点、加点項目が50点満点です。
  3. この250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
  4. 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 得点 適用金利等
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 156点以上 政策金利 III
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 140~155点 政策金利 II
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 120~139点
(110~139点)
政策金利 I
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 120点未満
(110点未満)
対象外

注) ( )内は中堅企業等

以上