日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年4月18日
  • 日本政策投資銀行

総合リース会社3社と日本政策投資銀行がSRI(社会的責任投資)
に関連する金融手法の提案等で業務協力協定を締結

  1. 日本政策投資銀行は、このたび総合リース会社3社(ダイヤモンドリース(株)、東京リース(株)、三井住友銀リース(株)(五十音順))とそれぞれ業務協力協定を締結しました。当行と総合リース会社との業務協力協定の締結は初めてのことです。
  2. 当行では、平成16年度に「環境配慮型経営促進事業融資制度」(*)を創設し、企業の環境配慮型経営の取り組みをサポートしています。リース事業については、リース取引を介した環境配慮物件の普及促進による全般的な環境負荷低減への貢献、リース終了物件の3R(Reduce、Reuse、Recycle)の徹底による循環型社会形成への貢献、という観点から独自のスクリーニングシステムを開発し、リース会社の環境配慮型経営の取組み度合いを評価するとともに資金面のサポートをしています。

    (*) 当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度。

  3. 今回、当行と業務協力協定を締結した総合リース会社3社は、環境配慮型物件のリースの積極的展開や、リース終了後の物件に関する3R体制の構築など、環境配慮型経営に積極的に取組んでおり、いずれも平成16年度に日本政策投資銀行の「環境配慮型経営促進事業融資制度」の適用を受けています。
  4. リース会社は自ら「資産保有」をすることにより金融を含めた総合サービスを提供するという点で、金融セクターの中でも直接的に環境問題に対するソリューション(例:環境配慮型リース物件の普及促進、リース終了品の3R)が提供可能な業態です。今回の業務協力協定は、業界内で先進的に環境配慮の取り組みを行っているリース会社と当行がそれぞれ保有している金融手法等のノウハウを組み合わせることにより、我が国経済社会の持続的発展に貢献していくことを目的に締結されたものです。今後、業務協力協定に基づき具体的に以下のような取組みを進めて参ります。
    1. 環境配慮型リース資産の普及促進に向けたファイナンスの提案、
    2. SRI(社会的責任投資)をキーワードとして、リース会社の持つ資産評価能力や資産管理能力を活用したファイナンス・スキームの組成、
    3. 各総合リース会社との親密な繋がりがある地域リース会社の環境配慮型経営の推進(総合リース会社各社が確立している環境配慮型経営モデルの伝播)と当行のサポート   等

(参考)環境配慮型経営促進事業融資制度の仕組み

(1)特色

  1. 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
  2. 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
  3. 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
  4. 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に127の設問を設定しており、通常項目が103、加点項目が24の構成です(製造業の場合)。このうち、加点項目は際立って優れた企業を念頭に設定された設問です。このように、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。

(2)評価の方法

  1. 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
  2. 配点は、250点満点ですが、このうち通常項目が200点、加点項目が50点満点です。
  3. この250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
  4. 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 得点 適用金利等
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 156点以上 政策金利 III
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 140~155点 政策金利 II
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 120~139点
(110~139点)
政策金利 I
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 120点未満
(110点未満)
対象外

注) ( )内は中堅企業等

(3)リース業の環境スコアリングの特徴

各業種に共通な経営全般事項に係る評価に加え、リース取引における環境側面を踏まえ、環境配慮型物件のリースへの取組み度合い、リース終了品の3Rへの取組み度合い、を評価軸として設定。

以上