日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年4月19日
  • 日本政策投資銀行

債権買取型地域再生ファンドに対し、本格的なノンリコースファイナンスを実行
~日本政策投資銀行・東京三菱銀行との協調により、
地域再生ファンドの取り組みをサポート~

  1. 日本政策投資銀行は、東京三菱銀行との協調により、今般、(株)ジェイ・ウィル・パートナーズ(以下「当社」)が運営する債権買取型の地域再生ファンドに対して、本格的なノンリコースファイナンスを実行しました。
  2. 当社は、金融機関から再生可能な中堅・中小企業等の債権をファンドにより買い取り、バランスシートの再構築等を通じて事業再生を図ることを主なビジネスモデルとしています。昨今は、全国各地の地域金融機関との提携を深めており(※)、地域経済再生の早期実現に向けて大きな役割を担っているところです。

    (※)平成17年3月現在で10県、23金融機関との提携実績あり(公表分)

  3. 本ファイナンスは、当社が運営するファンドが金融機関からの債権を買い取る際の買取資金を手当するものです。買取対象となる債務者は10社程度あり、債務者から得られる将来の回収金のみが返済の原資となること、当社からの保証は求めないことから、ノンリコースファイナンスと呼ばれる融資形態と位置付けられます。不動産や正常債権プールを対象としたノンリコースファイナンスは、我が国でも数多く実績がありますが、本ファイナンスは、いわゆる不良債権プールを対象とし、且つ、キャッシュフローの評価が難しい各債務者の再生計画を見極めたうえでスキームを構築したものであり、コベナンツ(融資契約における借入人等の誓約事項)の設定や担保(ファンドが保有する債権等)保全を図ることより、事業リスクをコントロールするとともに償還確実性を高めている点が特徴的です。本ファイナンスにより、ファンドは少ない投下資本でより多くの債権買取が可能となることから、今後、こうしたスキームを活用あるいは発展させていくことで、地域金融機関の不良債権処理、中堅・中小企業の再生がより一層促進するものと期待されます。
  4. 日本政策投資銀行は、こうした融資手法を通じて、地域経済の再生に取り組んでいる事業再生ファンドに対し、積極的に資金調達サポートを行っていく方針です。

【案件の概要】

◆ 本件ノンリコースファイナンスの内容

・借入人 : 株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズが運営するファンドが債権購入のために設立した特別目的会社(SPC)
・融資金融機関 : 日本政策投資銀行、東京三菱銀行
・エージェント : 東京三菱銀行
・担保 : 購入債権等

◆ 株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズの内容

・設立日 : 平成15年4月21日
・所在地 : 東京都中央区日本橋2-1-1 櫻正宗ビル4階
・資本金 : 2億4000万円
・経営陣 : 会長  安田隆二(前A.T.カーニー極東アジア代表、一橋大学国際企業戦略研究科教授)
社長  佐藤雅典(前ゴールドマン・サックス証券会社、マネージングディレクター)

◆ 本件スキームのイメージ