日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年4月
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中海・宍道湖経済圏で「地域づくり健康診断」を実施

日本政策投資銀行は去る2005年2月14~15日および3月2~3日にかけて、中海・宍道湖経済圏における「地域づくり健康診断」を実施致しました。
中海・宍道湖経済圏とは、山陰地方の中央部、鳥取・島根両県の県境付近に位置する中海と宍道湖を取り巻く地域のことを指します。このエリアは、西は出雲・松江から東は米子・境港・大山まで、まさに地域資源の宝庫と呼ぶにふさわしい地域です。

大山
(出所)鳥取県広報課HP

宍道湖夕景(嫁が島)
(出所)国土交通省松江国道事務所HP

【「地域づくり健康診断」とは】

日本政策投資銀行地域企画部職員チームが当地に赴き、統計データ等に基づく客観的な指標と独自の分析手法をもとに、地域の皆様とディスカッションを行うことにより、地域の課題と可能性を地域の皆様自身に発見してもらうプログラムです。
事前に関係者ヒアリングや当地に存在する様々な地域資源の調査を行い、最終日に、地域の皆様との参加型ワークショップを実施致します。 

【ヒアリングおよびワークショップにご参加頂いた方々】

事前のヒアリングでは、地元の経済界やマスコミなど、延べ25名にも上る方々と活発な意見交換を行いました。

最終日のワークショップは、鳥取、島根両県経済同友会の合同懇談会での基調講演として実施しました。ご参加いただいたのは、島根経済同友会宮脇・田江両代表幹事、鳥取県経済同友会秦野代表幹事をはじめとする両県同友会メンバーを中心に、県庁・市役所職員、地域づくり活動に携わるNPOの方も交えた、実に 90名にも上る実際に地域でご活躍の皆様です。 

【ワークショップの模様】

ワークショップでは、客観的な統計分析を通じて明らかになる、中海・宍道湖経済圏の診断結果を次々と披露していきます。
「中海・宍道湖経済圏の人口動態は、実は、東京や名古屋と酷似している!」
自分たちの地域に対する思い込みと、現実の客観的ポジションが大きく異なることは、往々にしてあるものです。しかし、そうはいっても多くの方が感じている全体的な手詰まり感は、どういうところに現れるのか。こうした地域のポテンシャルや課題を、多面的な分析を通じて明らかにし、今後の地域の方向性を考える場を提供するのが「地域づくり健康診断」です。
そして今回の「地域づくり健康診断」では、こうした状況を打開するために期待の高まっている観光について、大きくスポットを当てました。中海・宍道湖経済圏における観光の現状と課題、そして課題を解決するために求められていることは?
「県を超えたマーケティング体制整備が急務!」
これが統計分析と現地調査を通じ、最終的に出た診断結果です。

ワークショップに続いて実施されたパネルディスカッションでは、中海・宍道湖経済圏の観光振興策について、会場にご参集頂いた方々も交え、より具体的な議論が交わされました。

診断結果、および、これを踏まえたパネルディスカッションでの議論をもとに、本合同懇談会では、観光振興のための具体的な提言がまとめられました。提言内容は、「県域を越えた官・民の連携の強化」、「情報発信の強化」、「観光振興のための地域人材の確保・育成」、「両県へのアクセス手段の充実」を柱に、全 17項目にも上ります。

【今後の展開について】

このワークショップで行われた議論は鳥取、島根経済同友会合同懇談会の提言にも反映されましたが、今後は中海・宍道湖圏域の県境を越えた連携を行う推進体制の整備や広域観光を案内するポータルサイトの整備等の具体的な取り組みへと繋がっていくことが期待されています。
また、診断結果や県境を越えた観光振興のための広域連携への取り組みの必要性は米子市や松江市等の関係の市長並びに鳥取県及び島根県にも報告され、官・民連携した取り組みへの足がかりとなることが期待されています。

中海・宍道湖経済圏では、県境を越えた官民一体の観光振興が始まろうとしています。日本政策投資銀行は引き続きこうした活動をサポートして参ります。そして、「中海・宍道湖経済圏の可能性」が「地域経営の柱」として結実するよう、地域との協働を行って参ります。