- News Release
- 平成17年7月29日
株式会社ミスズ工業に「環境配慮型経営促進事業」融資制度を適用
- 日本政策投資銀行は、このたび、「環境配慮型経営促進事業」融資制度の対象として、株式会社ミスズ工業(本社:長野県諏訪市)を選定し、融資を実行しました。本件は、長野県への制度適用として第1号、また北関東・甲信地域への制度適用として第1号になります。
- 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。
- 今回の評価対象となった(株)ミスズ工業は、独自の精密加工技術と半導体実装技術を駆使し、セイコーエプソン(株) ほか大手企業向の時計・プリンタ・医療機器等の精密機構部品、液晶ディスプレイ等高精度の電子機器部品の製造を行っている長野県諏訪地域を代表する中堅製造業(昭和39年設立)です。 同社は、「地域の快適な生活環境の維持・向上に貢献」を環境方針として掲げている通り、地域社会への配慮を意識している点に特徴があり、特に、主に諏訪湖地域を拠点とする本社工場において、「諏訪湖アダプトプログラム」に代表される環境保全活動への参加等を通じ、地域住民主体の美化活動を積極的に支援している点を当行は高く評価いたしました。 また、全社ベースでのISO14001認証取得(平成13年度)に伴い、社長をトップとする環境マネジメントシステム(EMS)が強化されたことにより、環境配慮型製品設計や副産物の再資源化への取組みが推進された結果、産業廃棄物処分量の大幅削減を達成した点も高く評価しています。 諏訪湖地域に根ざした当社の環境保全活動に対する一連の取組みは、循環型社会形成という点で地域の環境パフォーマンス改善に繋がるものであり、今後同地域の環境経営の高度化促進への波及効果が期待されるところです。
- 当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価をしており、38件(本件を含む)の融資(保証を含む)を実行しています。今後も、多様な業種特性を踏まえて、適切な環境配慮型経営の評価に努めて参ります。
(参考)制度の仕組み
(1)特色
- ① 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
- ② 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
- ③ 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
- ④ 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に127の設問を設定しており、通常項目が103、加点項目が24の構成です。このうち、加点項目は際立って優れた企業を念頭に設定された設問です。このように、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。
(2)評価の方法
- ① 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
- ② 配点は、250点満点ですが、このうち通常項目が200点、加点項目が50点満点です。
- ③ この250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
- ④ 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 | 得点 | 適用金利等 |
---|---|---|
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 | 156点以上 | 政策金利III |
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 | 140~155点 | 政策金利II |
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 | 120~139点 (110~139点) |
政策金利I |
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 | 120点未満 (110点未満) |
対象外 |