日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年9月12日
  • 日本政策投資銀行

UFJセントラルリース株式会社に対し、
東海地域で初めて「環境配慮型経営促進事業」融資制度を適用

  1. 日本政策投資銀行は、このたびUFJセントラルリース株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:田中一好)に対し、同社の環境へ配慮した経営を評価して、「環境配慮型経営促進事業」融資制度を適用した融資を実行しました。本件は、東海地域への制度適用として第1号になります。
  2. 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。
  3. 民間設備投資の約1割を占めるリース取引の位置付けを踏まえると、リース会社における環境配慮への取り組み、とりわけ1環境に配慮した製品のリースを活用した普及促進、2リース会社による高度なリユース・リサイクルシステムの構築等は、極めて重要であり、本件では、こうしたリース会社の業種特性に配慮したスクリーニングを行いました。
  4. 当社は、昭和44年設立の総合リース事業者です。当社は、環境負荷低減製品・サービスの提供から、リース満了品の3R(Reduce、 Reuse、Recycle)対策に至るまでサプライチェーン全体にわたる効果的な管理体制を構築し、先進的な取り組みを行っている点などが高く評価されました。
  5. 当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価をしており、39件(本件を含む)の融資(保証を含む)を実行しています。今後も、多様な業種特性を踏まえて、適切な環境配慮型経営の評価に努めて参ります。

(参考)制度の仕組み

(1)特色

  1. 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
  2. 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
  3. 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
  4. 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に127の設問を設定しており、通常項目が 103、加点項目が24の構成です。このうち、加点項目は際立って優れた企業を念頭に設定された設問です。このように、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。

(2)評価の方法

  1. 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
  2. 配点は、250点満点ですが、このうち通常項目が200点、加点項目が50点満点です。
  3. この250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
  4. 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評 価 得 点 適用金利等
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的
と認められる企業
156点以上 政策金利Ⅲ
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認
められる企業
140~155点 政策金利Ⅱ
環境への配慮に対する取り組みが十分と認め
られる企業
120~139点
(110~139点)
政策金利Ⅰ
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当
しない企業
120点未満
(110点未満)
対象外

注) (  )内は中堅企業等