日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年10月5日
  • 日本政策投資銀行

大垣共立銀行及び日本政策投資銀行が
環境配慮型経営に注力する中堅企業に対し、
「環境格付」に基づく協調融資を実施

  1. 大垣共立銀行(頭取:土屋嶢)と日本政策投資銀行は、平成16年10月に締結した業務協力協定に基づく2件目の連携融資案件として、9月末日付で環境配慮型経営に注力する中堅企業の(株)マツバラ(本社:岐阜県各務原市、代表取締役社長:松原光好、資本金97百万円)に対し「環境格付」に基づく協調融資(融資総額:1億円、融資期間:5年)を実行致しました。
  2. 本件は、大垣共立銀行のメイン取引先である(株)マツバラに対し、日本政策投資銀行が独自の「環境格付」を行い、その格付結果に基づき大垣共立銀行が「環境支援融資スキーム」(注1)、日本政策投資銀行が「環境配慮型経営促進事業」融資を適用し両行が優遇金利により協調融資を行ったものです。なお日本政策投資銀行の「環境配慮型経営促進事業」融資(注2)としては、岐阜県下初であることに加え、鋳物業界でも初の適用事例です。
    1. (注1)新たに取扱を開始した日本政策投資銀行との連携による環境融資商品で、環境への配慮が高い取引先(=「環境格付」取得先)に対して最大0.5%の金利優遇を行い、取引先の環境対策を金融面から支援することを主旨としています。
    2. (注2)環境配慮型経営促進事業は、日本政策投資銀行が開発したスクリーニングシステム(格付システム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。(詳細は別添「(参考)制度の仕組み」を参照。)
  3. 当社は、クリーンな鋳物工場を目指して周囲の豊かな自然環境を守るために公害を出さない設備対応、作業環境の改善、省エネ、省資源、リサイクルなどの地球環境問題に積極的に取り組んだ結果、「経営」「事業」「パフォーマンス」の3要素全てにわたってバランスのとれた環境経営を展開しており、また、環境改善に配慮した取り組みを通じて地域社会とのコミュニケーションを重視している点も高く評価されました。

    具体的には、集塵ダストの飛散防止に向けて最新型の集中処理システムを導入したことや、スラグのセメント原料化を始めとする各種リサイクルの徹底によりゼロ・エミッションを達成したことが高く評価されました。また、広範かつ網羅的な化学物質管理を行う等の先進的な取り組み、約160万時間無災害を目標に従業員に安全管理体制を徹底していることや、排水の透明度向上など自然環境改善に配慮した取り組みを推進している点も当社の特徴です。

  4. 大垣共立銀行及び日本政策投資銀行は、地域金融機関の「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム」にかかる協力を進める中で、今回同様のスキームを活用することを通じて、地域企業の環境配慮型経営の促進に対する支援に貢献してまいります。

(参考)制度の仕組み

(1)特色

  1. 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
  2. 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギーなど)を用意しています。
  3. 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
  4. 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に126の設問を設定しており、通常項目が 101、加点項目が25の構成です。このうち、加点項目は際立って優れた企業を念頭に設定された設問です。このように、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。

(2)評価の方法

  1. 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
  2. 配点は、250点満点ですが、このうち通常項目が200点、加点項目が50点満点です。
  3. この250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
  4. 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評 価 得 点 適用金利等
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的
と認められる企業
156点以上 政策金利Ⅲ
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認
められる企業
140~155点 政策金利Ⅱ
環境への配慮に対する取り組みが十分と認め
られる企業
120~139点
(110~139点)
政策金利Ⅰ
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当
しない企業
120点未満
(110点未満)
対象外

注) (  )内は中堅企業等