日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成17年10月17日
  • 日本政策投資銀行

池内タオル(株)へ事業再生融資を実行
~ 地域中堅企業の再生を支援 ~

  1. 日本政策投資銀行は、このたび池内タオル(株)(社長:池内計司、本社:愛媛県今治市、URL:http://www.ikeuchitowel.com)の再生を支援するための融資(DIPファイナンス(*1))を行いました。本件は、日本政策投資銀行が実施する四国における初のDIPファイナンス案件です。
  2. 池内タオル(株)(以下「当社」)は、国内の主力タオル生産地である愛媛県今治地区において、優れた製織技術・環境への取組を特徴とする老舗タオルメーカーです。国内のタオル業界が中国など海外からの輸入タオルの増加等により苦戦を強いられる中で、当社は、ISO14001(*2)の取得、使用電力を100%風力発電で賄う等、環境配慮への積極的な取組みを行う一方、オーガニック・コットン(*3)やバンブー(竹)等の高品質繊維を早くから取り入れるなど、品質・環境両面における独自の取組により国内のみならず米国等の海外においても高く評価されつつあります。平成15年、取引先の破産に連鎖する形で民事再生手続きを申し立てるに至りましたが、現在、再生計画に基づき再生に取り組んでおります。
  3. 本件融資は、国内外で当社の製品に対する需要が高まっていることを受け、増加する原材料の仕入代金等の一部を提供し、当社の再生を支援するものです。日本政策投資銀行としては、主として以下の点を評価して融資を決定しました。
    • 当社製品は、品質面や環境面で国内外において高く評価されつつあること
    • 外部コンサルティング会社の協力も得て経営管理面の体制強化に取り組んでおり、今後も相応の収益力を確保・持続できることが見込まれること
    • 地方における中核産業の担い手である事業者の再生に資するものであること
  4. タオル製造業は愛媛県今治地区において中核的な産業であり、また各製造工程を地域の各社で分業していることが特徴的で、当社の再生により地域への波及効果が期待されます。日本政策投資銀行は、引き続きこうした地域経済振興を多様なスキームで支援し、地域金融機関と連携を取りながら地域密着型金融を行っていく方針です。

【 * 注釈 】

  1. 「DIPファイナンス」とは、米国において再建型倒産手続きである連邦倒産法第11章手続(チャプター11)に入った企業(DIP:Debtor In Possession(占有継続債務者))に対する融資のことを指しますが、日本に置いては、再建型倒産手続きである民事再生法、会社更生法の手続き中の融資をDIPファイナンスと称します。
  2. 「ISO14001」は環境マネジメントシステムに関する要求事項を示した規格であり、組織が環境に配慮した経営を世界共通の規格に基づいて行なおうとするものです。目的としていることは、環境マネジメントシステム(計画Plan―実施Do―測定・評価Check―見直し・改善Actionのサイクル)の継続的な改善を通して、環境負荷と環境リスクの低減を図るものです。この規格の認証を取得しようとする組織は、環境マネジメントシステムの規格との適合性、システムの適切な実施・運用・維持について、第三者審査登録機関の審査を受ける必要があります。
  3. 「オーガニック・コットン」とは、3年以上農薬や化学肥料を使用していない農地で、農薬や化学肥料を使わないで栽培し、化学処理をしないで加工した綿のことをいいます。