- News Release
- 平成17年12月22日
株式会社みすずコーポレーションに「環境配慮型経営促進事業」融資制度を適用
- 日本政策投資銀行は、このたび、「環境配慮型経営促進事業」融資制度の対象として、株式会社みすずコーポレーション(本社:長野県長野市)を選定し、融資を実行しました。本件は、中堅食品製造業への制度適用第1号になります。
- 環境配慮型経営促進事業は、当行が開発したスクリーニングシステム(格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化して優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の適用金利を設定するという、「環境格付け」の専門手法を導入した世界で初めての融資制度です。現在、製造業3種類、非製造業10種類のスクリーニングシートのバリエーションが用意されておりますが、本件においては、「食品加工業」バージョンを適用しております。
- (株)みすずコーポレーションは、設立当初からの主力製品である凍り豆腐製造に加えて、味付け油揚げなどの加工食品販売を手掛ける大豆加工食品メーカーです(創業明治35年)。
同社は、「健康と環境にやさしい」を環境方針として掲げているとおり、大豆加工食品メーカーとして、原料大豆はすべて非遺伝子組み換え品を使い、 HACCPに基づく衛生管理システムを徹底する等、消費者の安全・安心対策に力を入れる一方、平成12年に環境ISOを取得し環境対策と製品品質管理を融合・進化させています。特に昭和56年の早期に食品廃棄物である「生おから」を乾燥させ製品化したことに始まり、フライ廃油の燃料化、排水処理よりメタンを生成し燃料化する等各種の資源有効利用対策を進め、ゼロエミッション達成はもとより、地球温暖化対策にもつながるバイオマスエネルギー化への取組みなどが高く評価されました。
- また、当社は、更なる環境負荷低減活動の一環として、平成17年度は排水処理の効率化と余剰汚泥の減量化を目的とした汚泥減量型排水処理設備投資を実施し、本件環境格付において誓約した余剰汚泥発生量の削減に努める計画にあります。
今後は、当削減計画達成とともに、先進的環境配慮経営企業として他社のモデルとなるべく、一層のパフォーマンス向上を期待されるところです。
- 当行では、現在本制度について大手から中堅クラスに至るまで多様な企業の評価をしており、48件(本件含む)の融資(保証を含む)を実行しています。今後も、多様な業種特性を踏まえて、適切な環境配慮型経営の評価に努めて参ります。
(参考)制度の仕組み
(1)特色
- ① 従来のような「エンド・オブ・パイプ」(環境汚染物質の排出時における適正処理)型の対応とは異なり、環境配慮型経営に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
- ② 製造業・非製造業のさまざまな業種に対応できるよう、いくつかの業種に対応した質問票(製造業は素材型・加工組立型、非製造業は運輸交通、卸小売、建設、エネルギー、リースなど)を用意しています。
- ③ 中堅企業等については、環境パフォーマンス項目については未達でも、契約において今後の改善を約するなど、環境経営の推進に向けた強い意欲が認められる場合には特別に加点する(エンゲージメント)などの仕組みを組み込んでいます。
- ④ 「経営全般」、「事業活動」、「環境パフォーマンス」の3つの事項を対象に約120の設問を設定しており、企業の取組みを包括的に評価できることが可能になっています。
(2)評価の方法
- ① 環境格付けの手法に従い、取組みが進んでいればより有利な条件での調達が可能になるような設計となっています。
- ② 配点は、250点満点に対し、対象として適格と認定するラインは120点以上(中堅企業等で110点以上)です。また、環境負荷低減に関して最低限の定量的な効果を求めるという観点から、パフォーマンス関連事項で40点以上(中堅企業等で35点以上)の得点を条件としています。
- ③ 対象として適格となる得点を得た企業は、さらにその水準によって次の3つのグループに分類され、それぞれ異なった金利水準が適用されます。
評価 | 得点 | 適用金利等 |
---|---|---|
環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業 | 156点以上 | 政策金利III |
環境への配慮に対する取り組みが先進的と認められる企業 | 140~155点 | 政策金利II |
環境への配慮に対する取り組みが十分と認められる企業 | 120~139点 (110~139点) |
政策金利I |
環境への配慮に対する取り組みが上記に該当しない企業 | 120点未満 (110点未満) |
対象外 |
注)( )内は中堅企業等
以上