日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成19年2月16日
  • 日本政策投資銀行

三菱商事と共同で医療・介護経営支援のヘルスケアファンドを設立

三菱商事グループと日本政策投資銀行は、医療機関や介護事業者の経営支援・事業再生を目的としたヘルスケアファンドを共同で設立します。

我が国の医療と介護は大きな転換期を迎えています。医療・介護サービスは、高齢化の伸展に伴う需要の増加、サービスの質に対する関心の高まり等、急速な拡充を求められています。一方、政府・自治体には、社会保険財源抑制等多くの課題があり、医療機関・介護事業者に目を向けてみると、収益・財務面、オペレーション面の課題を抱え事業再生/再構築が急務となっている事業者も少なくないというのが現状です。

昨今は、不動産投資等の対象としてヘルスケア分野が注目を集めており、病院や介護施設をターゲットとしたファンドも幾つか組成されています。本ファンドは、不動産取引や財務リストラによる一時的な財務面の改善のみならず、実務的にも医療機関・介護事業者の収益改善を支援し、地域社会により良い医療・介護サービスの提供体制が確立されることを目指すところに特徴を有しています。

本ファンドの投融資実行においては、地域金融機関との連携が極めて重要になります。全国の金融機関から、経営支援を必要としている医療機関や介護事業者向けの貸出債権を買取り、経営改善計画の策定等、支援先の経営陣と協力して財務体質と経営体制の強化を図り、収益改善及び持続的な経営の安定化を目指します。また、過剰債務等の理由により資金調達に課題を抱える事業者に対しては、債務削減の手法や不動産等の資産流動化の仕組みを適用した資金調達方法を提案し、地域医療のニーズに応える病棟の増改築、高度医療機器等への設備投資を実現させます。

本ファンドへの運用助言は、三菱商事と日本政策投資銀行の共同出資により設立するヘルスケアマネジメントパートナーズ(株)が行います。ヘルスケア分野におけるこのような取り組みについては、高度なファイナンスノウハウと併せて、事業の特質を良く見極め、実際に経営の健全化/収益の向上を実現していく能力が不可欠です。三菱商事は、30年以上に渡るヘルスケア業界での実績とネットワークがあり、国内トップレベルのヘルスケア関連子会社群を抱えています。本ファンドの投融資先の経営支援にも、必要に応じてこれらのヘルスケア関連子会社の機能を活用していきます。また、三菱商事では、金融事業及び医療・ヘルスケア分野を全社推進分野として選定しています。日本政策投資銀行では、地域経済の自立的発展を金融面から支援しており、重要な社会インフラである医療・介護分野への支援は今後の重点課題となっています。本ファンドに対しても、これまでのヘルスケア分野への融資実績に加え、リスクマネー供給能力や新金融手法などを活用しつつ取り組んでいきます。本ファンドは、三菱商事グループと日本政策投資銀行の知見を最大限に活用し、資金、人材、情報あらゆるリソースを積極的に投入して展開していきます。

【ファンド概要】

■ ファンド名 : トリニティヘルスケアファンド(仮称)
■ 運用助言 : ヘルスケアマネジメントパートナーズ株式会社
■ ファンド期間 : 10年間 (投資期間5年間 + 安定運用期間5年間)
■ 運用開始予定 : 2007年3月末ファーストクロージング予定
■ 出資募集金額 : 200億円を上限

【運用会社概要】

■ 会社名 : ヘルスケアマネジメントパートナーズ株式会社
■ 登録免許 : 投資顧問業 等
■ 設立 : 2007年2月
■ 資本金 : 3億円 (予定)
■ 株主 : 三菱商事(66%)、日本政策投資銀行(34%) (予定)
■ 所在地 : 東京都港区

以上