日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成19年3月22日
  • 日本政策投資銀行

和歌山市で「地域づくり健康診断」を実施

日本政策投資銀行は、平成19年2月14日に和歌山市との共催で「地域づくり健康診断」を実施致しました。

《市を代表する観光資源:和歌山城》

《地域ブランドに認定された:和歌山ラーメン》

【「地域づくり健康診断」とは】

日本政策投資銀行地域企画部の職員が、公表データなどから把握しうる地域の現状分析をもとに、市街地の実査や地域の皆様へのヒアリングなどの情報を加えて、独自の分析による地域の診断を行うのもので、診断結果について地域の皆様とのディスカッションを通して、課題と可能性を地域の皆様自身に発見してもらうプログラムです。

地域の課題と可能性に対する地域の皆様の認識共通化を図り、これを踏まえた"次の"行動(プロジェクト創出等)の契機として頂くことを期待するものです。

【事前ヒアリングと報告会】

事前のヒアリングでは、地元和歌山市、和歌山商工会議所やTMO関係者など、多くの方々と活発な意見交換を行いました。報告会当日は、金﨑助役をはじめとする市役所職員、商工会議所、観光協会、まちづくり1,000人会に加えて、地域づくり活動に携わる団体や地元企業の方々など100名近くの方にご参加頂きました。

【診断結果より得られた和歌山市の課題と今後の可能性】

まず、第1部は講演会形式で行い、「都市圏構造」・「人口増減」・「雇用」・「中心市街地の人口集積・商店街」・「観光」・「財政」等の分野において、客観的データを反映した図表を用いつつ、以下の地域課題を指摘しました。

  1.  主要産業(鉄鋼業)を中心とした人員削減など現役世代の転出や若年層のUターン低水準が顕著なことから、深刻な域外への人口流出
  2.  車中心の生活パターンの定着や住宅の郊外化に加えて、地場百貨店閉鎖による人通り減少で悪循環に陥った中心市街地商業
  3.  豊富な観光資源があるにも関わらず、域内外でのPRが不十分なため認知度の低いポテンシャルを秘めた観光資源

また、これらの課題を踏まえた上で、深刻な人口転出、中心市街地・地域経済再生の必要性や豊富な資源を生かした観光振興について、以下の処方箋を提示しました。

  1.  駅・商店街等拠点のレベルアップを核とした、まちづくりに関する発想の転換
  2.  観光案内所の設置やそのレベルアップ、関西圏にターゲットを絞ったPR戦略や新たな集客装置を核とした、新たなにぎわい拠点創出の可能性
  3.  まちなか集客や産業・観光分野連携の新たな発想を期待した若手人材活用の可能性

《報告会:第1部 講演会》

報告会に続いて実施された、第2部のパネルディスカッションでは、和歌山市のまちづくり・交通・観光振興・行政分野に尽力されている方々より、診断結果についてのご意見やまちづくり・公共交通・中心市街地・観光分野における新たな提言や進むべき方向性まで活発な議論が交わされました。

《報告会:第2部 パネルディスカッション》

【今後の展開について】

今回の「地域づくり健康診断」を契機に、和歌山市では官民を越えた地域一体でのまちづくりや観光振興策の検討・事業化が進んでいくものと期待されます。

日本政策投資銀行は地域の皆様が課題を克服し、可能性を新たなプロジェクトに結実して頂けるよう、引き続きサポートして参ります。