- News Release
- 平成18年5月22日
(株)中村醸造元に対し、青森県内初の「ＤＩＰファイナンス」を実施
～生醤油などの「在庫担保」で再生支援～
- 日本政策投資銀行は、このたび、(株)中村醸造元（本社：青森県藤崎町、代表取締役社長：中村充滋）に対し、ＤＩＰファイナンス（※）融資を実行いたしました。こういった法的手続き下にある地域企業の資金ニーズに対応し、当社の生醤油等の在庫を担保として企業再生を支援することは、地域再生・雇用の維持に大きく寄与するものと期待されます。
- (株)中村醸造元は、青森県藤崎町に本拠を置き、北海道、東北、関東地区に醤油等を製造・販売する地場の醤油メーカーです。平成18年1月に民事再生手続き開始決定を受け（監督委員：平田由世弁護士）、現在まで料理家神田川俊郎氏による当社商品利用やイベント支援、農業生産・加工・販売会社の(株)ナチュラルアート（東京都：鈴木誠社長）との資本・業務提携や既存の取引先企業の支援を受けつつ事業を継続しています。
- 今回の融資実行において日本政策投資銀行は、青森県内では初となるＤＩＰファイナンス「事業価値保全資金」融資制度を適用いたしました。同制度は、民事再生法等の法的手続申立後から再建計画が固まるまでの間に再建対象会社が必要とする運転資金や設備資金を対象として適用される融資制度で、一般的に「アーリーＤＩＰ」と呼ばれます。
- (株)中村醸造元は、今後本件融資や他関係者等のご理解と支援を受けることにより、実現性の高い再建計画を策定できるものと見込まれます。
- 日本政策投資銀行は、今後も引き続き東北地域や青森県内の地域中堅・中小企業の再生支援に取り組んで行く方針であり、多様な融資スキームへの対応をさらに強化していく考えです。
※ ＤＩＰファイナンス～米国において連邦倒産法第11章手続に入った企業（ＤＩＰ：Debtor In Possession（占有継続債務者：法的手続後も原則債務者が業務を執行））への与信（ファイナンス）を指す。日本では、法的手続申立後～手続終結までの融資を一般的にＤＩＰファイナンスと呼んでいる。
以上
