日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年8月31日
  • 日本政策投資銀行

平成19年度概算要求について

1.民営化準備のスケジュール

政策金融改革及び制度設計を踏まえた民営化スケジュールは以下の通り。

【業務・組織】

■新体制移行後の経営や財務のあり方について検討するとともに、システムをはじめ体制を整備

■第三者による厳格な資産・債務の評価
  ■2008/10、政府のみが株式を保有する特殊会社発足(日本政策投資銀行法廃止)

■中長期の投融資一体となった金融機能の根幹を維持
  ・短期貸付や出資等
  ■銀行法等一般金融関係法令に基づく業務
 ・地域再生
 ・事業再生等の新金融技術の活用
 ・インフラ等への中長期投融資

■投融資一体の金融機能に適合した業態
 ・グループ形態等も含め最適な業態を選択

【資金調達】

■現行政策金融機関の債券の所有者の利益が不当に侵害されないよう、必要な経過措置(法律上の措置を含む)

■新体制への移行を円滑に進めるため、長期借入れ等の業務を可能に
  ■預金、金融債等幅広い手段を検討

■適正な自己資本の確保

■政府保証債の発行や財融借入れ
  ■債券を中心とする中長期の資金調達基盤(金融機関借入・大口預金等)

2.民営化に向けた組織・運営体制の先行整備

平成19年度当初より、平成20年10月の民営化に向けた組織・運営体制の前倒しでの整備を図っていく。具体的には以下の通り。

  • 総裁の下に経営会議を設置するとともに、役員の権限と責任の明確化を図る。
  • 総合的なリスク管理体制を強化し、リスク資本の最適配分による収益力の向上を図る。
  • リスクテイク能力活用という方向性に適した経営指標及び行動規範の整備を図る。

3.平成19年財政投融資要求

財政投融資要求規模は平成18年度当初計画比▲0.1%の7,540億円とする。

◆ 近年の財政投融資額の推移

◆ 運用規模

民間金融機関からのリスク仲介機能に対する期待等を勘案し、平成19年度投融資運用規模は13,000億円とする。

(調達の内訳)
自己資金等 5,460億円(自己資金調達比率42%←前年度32%)
うち機関債 2,900億円
うち長期借入等  1,400億円 ※法律改正を前提とする。
財   投  7,540億円(前年度計画比▲0.1%)

◆ 年度末貸付残高の推移

引き続き民間金融機関との協調に配慮しつつ、残高の縮減を図る。

4.平成19年度概算要求の特徴

◆ 喫緊の政策課題への的確な対応

成長力・競争力強化や都市・地域再生のためのリスクマネーを供給。
防災・減災対策や環境や経済の両立など、安全・安心の確保を金融面から支援。

◆ 新金融手法への取り組み・リスクテイク能力の発揮

民間融資の拡大を支援する多様な金融手法(パートアウト、ウェアハウジング、ローントレーディング等)を積極的に活用し、リスクの高いプロジェクトに対する民間金融機関の参入を促進。

◆ 民営化を見据えた自主調達手段の拡充

新体制への移行に向けた法改正を前提として、平成19年度中に民間金融機関からの長期借入等を先行実施。


参考資料

〔パートアウト(債権売却)・証券化〕

プロジェクトが完工し、操業が安定した後、事業リスク等の減少に伴い、民間金融機関又は資本市場により対応可能となった段階で、協調融資民間金融機関等の求めに応じて債権売却又は証券化し、直接金融から撤退。なお、必要に応じて売却債権等に保証を付与。

<イメージ>

〔ウェアハウジング〕

事業再生等をはじめとするシンジケート・ローンや増資等を行うに際して、民間金融機関又は資本市場だけでは組成が整わない場合に、政策金融機関が不足分を一時的に引き受け、参加行や投資家が見つかった段階で当該債権、株式等を譲渡。

<イメージ>(シンジケート・ローンの場合)

※以上平成17年11月14日経済財政諮問会議提出資料参照

〔ローン・トレーディング〕

金融機関が自身の有する貸付債権を第三者(主に金融機関)に譲渡すること。金融機関のローン・トレーディング実施の主目的は、リスク・アセットの残高調整およびポートフォリオの分散度合いの向上にある。

<イメージ>