日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年9月20日
  • 日本政策投資銀行

(株)アット東京に対し、「防災格付」融資を実行
~データセンター第1号案件、最高ランク評価~

  1. 日本政策投資銀行(総裁:小村武)は、今年度創設された「防災対応促進事業」(防災格付)融資制度に基づき、(株)アット東京(本社:東京都中央区、社長:石垣禎信)に最優遇金利による融資を実行しました。データセンター事業者への同制度の適用は全国初となります。
  2. 「防災対応促進事業」融資制度は、中央防災会議「『防災に対する企業の取組み』自己評価項目表」をベースに独自の評価システムを構築し、防災への取り組みの優れた企業を評価・選定した上、当該企業の防災対策事業に優遇金利で融資を行うという「防災格付」の手法を導入した世界初の融資制度です。
  3. (株)アット東京は、情報通信システムを一括して集中管理するデータセンターとして平成12年に設立され、都下の中央センターは総面積14万平方メートルと単独のデータセンターとしては我が国最大、世界的にも最大級の面積を誇ります。
    通信ネットワークを介した電子商取引が急速に拡大するなか、データセンターは企業の事業継続をセキュリティ面から支える重要な役割を担いますが、(株) アット東京では昨年度中に事業継続計画(BCP)を策定し、事前対策と併せて災害等が発生した場合の行動計画を定めています。ハード面では、高い強度と免震構造を兼ね備えた中央センターをはじめ高い耐震性を確保するほか、設備面では電源、通信、空調等にわたり多重化を図るなど、事業継続に最大限の配慮がなされています。また本社被災時には本社機能を中央センターに移して継続するため、各種備蓄を行うほか、センターへの徒歩による参集訓練等を社長以下全社的に実践しています。
    防災性に優れた施設とこうした日頃の取り組みを反映し、今回の融資に際しての防災格付で当社は最高ランクの評価を得ています。
  4. 今般の融資は、(株)アット東京の中央センターにおける設備拡張並びに非常用電源等の増設を対象に実施するものです。(株)アット東京では、企業の情報セキュリティを総合的に請け負う「セキュリティー・インテグレーター」として企業の情報インフラの強化をサポートしており、先進的な取り組みを通して企業の事業継続体制の高度化に資するものと期待されます。
  5. 日本政策投資銀行では、今後とも幅広い業務・地域の企業への「防災対応促進事業」融資制度の活用を通じ、企業の防災への取組みを積極的に支援・推進して参ります。

(参考)制度の仕組み

  1. 事業継続計画(BCP)の国際規格化が議論される中、災害大国である我が国では自然災害を念頭においた企業のリスクマネジメント体制の構築が課題となっています。本制度は、災害に強い経済社会を構築する目的から、企業の事業継続の社会的価値を評価し、支援する融資制度です。従来のような個々の防災プロジェクトではなく、企業の防災対策に必要な事業資金全体(設備資金、非設備資金)を支援します。
  2. 評価にあたっては、中央防災会議(内閣府)「『防災に対する企業の取組み』自己評価表」をベースに当行独自の設問を加えた評価表を用意しました。12分野(下表参照)、64項目にわたり取組状況を確認し、必須項目等のハードルを満たした上で、分野別、金利段階(ステージ)別に一定の充足度を求める「ステップアップ方式」により防災体制の実効性を評価することが可能となっています。
  3. また、取組評価の過程で企業に対して防災対策に関する助言を行う機能を有し、今後予定する取り組みを評価に含める仕組みとも相まって、企業の防災力向上を促進します。
  4. 本制度は、防災対応評価に基づき優遇金利による融資を行う世界初の防災格付融資であり、業種別、企業規模別など各層の防災先進企業を対象に、防災への取り組みを支援して参ります。

以上