日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年9月27日
  • 日本政策投資銀行

JR札幌鉄道病院の建て替え工事に対し、
総額40億円のプロジェクトファイナンス方式による融資
~札幌市内の病院において初の取り組み~

  1. 日本政策投資銀行、北洋銀行及び北海道銀行は、このたび北海道旅客鉄道(株)(JR北海道)が行うJR札幌鉄道病院建て替え工事を対象に、三菱商事グループ(ライフタイムパートナーズ(株)ほか)と連携し、総額40億円のプロジェクトファイナンス融資を実施致します(融資スキーム等は概要参照)。本件は、札幌市内の病院において初の取り組みとなります。

    アレンジャーをライフタイムパートナーズ(株)が、共同アレンジャーを日本政策投資銀行が、エージェントを北洋銀行が勤め、シニア融資を北洋銀行と北海道銀行が、メザニン融資を日本政策投資銀行が実施致します。

    【プロジェクトファイナンス】
    あるプロジェクトの資金調達において、返済原資をその事業から生み出されるキャッシュフローのみに依存するファイナンス。
    担保は当該事業に関連する資産に限定し、プロジェクトを行う親会社の保証等は原則としていない。
    【アレンジャー】
    ファイナンスの組成や融資検討等を行う立場を有する者
    【エージェント】
    契約締結後の各種管理業務、関係者間の取りまとめ等を行う金融機関
    【メザニン融資、シニア融資】
    メザニン融資とは、従来銀行が取り組んできたシニア融資より返済順位が下位にある資金のことを言う。
    メザニンとは中2階の意味。メザニン融資はややリスクが高い資金になるが、米国等幅広い投資家層を抱えるマーケットにおいては多様な資金供給手段の一つとして重要な役割を果たしており、シニア融資より高く適切な金利水準を確保することによって、融資が可能となる。
  2. JR札幌鉄道病院は、JR北海道が運営する大型総合病院(病床数:312床)であり、特に、内科・呼吸器科・循環器科・耳鼻咽喉科に強みを持つ地域中核医療機関です。今般、建物の老朽化が著しいことから、全面的な建て替えを行い、三菱商事グループとの提携により、建て替え及びその後の病院運営を行っていく予定です。

    新病棟は今年秋の着工を予定し、全面的な稼働は2009年秋を予定しています。

    今回の建て替え工事により、医療業が集積している札幌市において地域医療の充実が図られると共に、医療機能高度化に伴う地域医療機能の分担が推進されるものと期待されます。

  3. 日本政策投資銀行は、平成17年9月に締結した業務協力協定に基づき両行との連携を強化して参りました。本件は、医療機能高度化に伴う地域医療機能の分担並びに地域医療の充実を支援するもので、地域再生・活性化に寄与するものであることから、リレーションシップバンキングの趣旨にも合致するものとして、連携して支援に取り組んだものです。
  4. プロジェクトファイナンス融資は、関係者への最適なリスク配分による事業価値向上、事業者にとってのリスクの軽減、保有資産の収益力を活かした資金調達が可能、等のメリットがあります。日本政策投資銀行は、今後も多様な資金調達を提供し、地域医療の充実並びに地域再生・活性化等に向け支援を行っていく所存です。

札幌鉄道病院建て替えのスキーム概要