日本政策投資銀行

  • News Release
  • 平成18年10月26日
  • 日本政策投資銀行

ケーブルテレビ事業の現状(17年度決算版)
日本政策投資銀行、全取引先ケーブルテレビ(CATV)200社弱の
17年度経営データを分析
~放送事業・インターネット事業がともに堅調であり増収増益を継続。
経営効率化と顧客サービスの向上が今後の課題~

<調査の目的>

  • 我が国総世帯数50百万のうち現在27百万世帯(再送信含む)がケーブルテレビ経由でテレビを視聴、普及率は55%に達するなど市民の身近な情報インフラとして浸透。
  • 日本政策投資銀行は昭和59年から現在まで約220社のケーブルテレビ事業者に融資を実行、17年度末現在の取引先社数は183社となり営利目的の事業者の約6割程度に相当している。
  • 本報告書では、日本政策投資銀行の全取引先事業者の経営データを統計処理、ケーブルテレビ業界全体の最新の経営状況を分析するとともに、業界の課題及び克服に向けて今後事業者が取り組むべき方向について提言した。

(注:守秘義務上の問題から個々の事業者名は本報告書には一切記載されていない)

<報告書の内容>

  1. ケーブルテレビ事業者は放送加入世帯数の増加とともに、通信事業が引き続き拡大。営業収入全体に占める通信事業収入の比率は27.5%にまで上昇、累積損失を解消した本行取引先事業者の割合が平成17年度には44%にまで改善し、通信事業の拡大が事業者の収支改善に引き続き寄与する結果となった。だが通信事業も都市部を中心にADSL・FTTH等との競合が激化、解約率の上昇や顧客単価の減少が続いており、通信事業への過度な期待には慎重になるべきである。
  2. 近年、財務状況の改善が著しいが、加入率の伸びが放送・通信ともに縮小している中で、経営を安定軌道に乗せるためには、今後のサービス展開が競争力維持のポイントと考えられる。
  3. 競争激化が予想される中で競争力維持・向上を図るためには、合併・資本提携等規模の拡大に伴う「効率化」、放送・通信・電話のパッケージサービスの提供による「顧客単価の向上」、災害情報の提供や地域コミュニティへの貢献等の地域密着サービスによる「顧客のつなぎ止め」など、各事業者はこれまでの新規加入獲得のみに依存しない、自らの事業環境に応じた経営の方向性を確立することが必要。
【お問い合せ先】
日本政策投資銀行 情報通信部
TEL:03-3244-1660